Monthly Archives: May 1998

No.300 保険診療のしくみ 栗山 隆明

アメリカに住む友人が、当地で最も評判のいい有名な病院で治療を受けました。ところが、彼の言うには「アメリカの医療保険はひどいよ。高い薬は保険が効 かないし、大きな手術以外は手術後苦しんでいても入院させてもらえず帰宅させられる。手術した先生の診察は2週間後で聞きたいことも聞けずに不安だ。対応 も事務的で、最小限の事しかしてくれないから、病気で苦しんでいる自分がいろいろとやらなければならない」。そうです。わが国の医療保険制度は、安価に平 等な医療を受けられる世界で最も優れた保険制度なのです。ただ、この良質な保険制度を利用するにはルールがあります。①医療機関に受診するときは保険証を もっていく。②治療の途中で保険証が変わったら、すぐに医療機関へ申し出る。最低限、この2つは守ってください。 保険診療の仕組みは簡単には次のようになります。①医療保険加入者は、各種保険組合や市町村へ定められた保険料を納付します。社会保険では給料から天引 きされ、国民健康保険では市町村等へ支払います。②各種保険組合や市町村は、加入者へ保険証を交付します。③医療機関を受診するときには、保険証を医療機 関の窓口へ提示します。④医療機関は保険証を確認して診療を行います。⑤患者は治療費のうち自己負担分を医療機関へ支払います。保険の点数制度が複雑に なっており、同一の治療を受けても自己負担金額が変わることがあります。⑥医療機関は、自己負担金を差し引いた残りの治療費を第三者機関を通して保険組合 や市町村へ請求します。 また、次の場合には医療保険は使えません。美容を目的とする場合、日常生活に支障のないもの(支障のない程度のあざ・にきび・わきが等)の場合、予防を目的とする場合(予防接種等)、健康診断(人間ドック等)、正常な妊娠・分べん、業務上または通勤による負傷などです。 最近、わが国の医療保険制度も少しずつ悪い方向へ向かっており、患者さんが気軽に治療を受けにくくなっています。このままでは将来アメリカ型の医療保険制度になってしまいそうです。われわれ医師会では、少しでもいい方向へ向かうように、日夜、努力を重ねています。

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No.299 賢い病院のかかりかた 吉田 悌友

医療機関で受診するとき 診察を受けるときには、いつから、どのような症状なのか、簡潔にお話しください。自分の主観を交えた話は、本当に重要なことがはっきりしなくなることが あります。症状も、今一番困っているものからお話ししてください。ほかに必要なことは、医師の方から質問があります。別の医療機関で、治療を受けていた場 合、服用していた薬は必ずお持ちください。以前の薬で治りが悪ければ別の薬に変更することができます。飲んでしまって、手元にない場合は、バイ菌を殺す薬 (抗生剤)、気管を拡げる薬、熱を下げる薬をもらっていた、というようなことでも結構です。他の病気で薬を服用している場合も、薬をお持ちになってくださ い。薬の飲み合わせの問題をチェックすることができます。出された薬は勝手な判断で、中止するようなことはやめましょう。症状がとれた後も、服用が必要な 病気がたくさんあるためです。 過去に大きな病気や、手術を受けた場合は、関係ないと思っても、必ずお知らせください。実はそのことが大きな問題になることがあるのです。薬でアレル ギー反応を起こしたことがあれば、薬の名前を教えてもらいメモしておき、先生にお話してください。以上のことは、当たり前と思われることのようですが、意 外に守られていないことが多いのです。 診療所と病院のかかりかた 病気になったら、何でも大きな病院に行けばいいというのは、間違いです。特に子供などでは、何時間も待つことになり、その間に別の病気をもらってしまう こともあります。大病院の方が安心と考える方もありますが、診療所の先生にも臨床経験豊富な優秀な先生がたくさんいらっしゃいます。病気によっては何度も 通院が必要なものもあり、治療を受けやすい診療所が向いてることもあります。何でも相談のできるお医者さん(ホームドクター)を持ち、大きな病院での検査 が必要な時には、紹介状をもらってから受診しましょう。それが病気を治す近道です。越谷市医師会では医療機関どうしの連携を、円滑におこなえるよう活動し ています。

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