Monthly Archives: July 1998

No.304 最近の心臓外科手術 今関 隆雄

心臓手術の中で狭心症に対する冠状動脈バイパス手術も心臓弁膜症に対する手術も最近では驚くほど成績が向上していますが、心臓外科手術の宿命として、心 臓を一時止めなくてはならず、生命維持装置である人工心肺装置を使い、胸の真ん中を大きく開ける胸骨正中切開法を標準術式としていました。 費用は保険請求額でおよそ300万円から400万円で、入院日数は約1カ月、社会復帰まで2~3カ月かかります。 数年前よりこのような手術法に対してアメリカを中心に大々的な見直しが始まり外科医から見た安全性だけでなく患者にとっての利益という点から、より小さ な傷で痛みが少なく、早く動けるように、より費用が安く、入院期間が短く、社会復帰も早くという点に対して答えを求めていったのです。 心臓を停止させること、人工心肺を使うこと、大きな皮膚切開、胸骨全切開が問題となりました。 その結果狭心症手術では左前胸部を約7~8㌢切開するだけで、心臓を停止させず、人工心肺をつかわない冠状動脈バイパス手術が取り入れられました。 拍動している心臓の表面を走る直径1・5~2㍉の冠状動脈を縫合するための薬、機械、技術も発達してきました。 しかし、残念なことにこの方法では従来の方法に比べて1~2本のバイパスしかできません。弁膜症手術では弁が心臓の内部にあるため現在のところ、どうしても人工心肺を使って心臓を止めないと内部が安全に操作できません。 しかし傷を小さくすることはできるようになり、以前の傷は30㌢位はありましたが今では10㌢前後です。 傷の痛みには個人差があり傷が小さいからといって大きい場合より痛くないかというと必ずしもそうではありません。でも手術してみてまず気がつく点は廊下を歩行できるようになるのが早い、退院が早い、傷が小さいので本人があまり大げさに考えなくなったことです。 これだけでもせまい手術野の中で集中して仕事をしたかいがあったというものです。これらは低侵襲(ていしんしゅう)手術といわれています。機械も技術も進歩発展していきますので今現在の最高の医療を提供することがわれわれの使命と考えています。

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No.303 越谷市の胃がん検診 越谷市医師会胃癌大腸癌検診委員会

現在、日本では、胃がん、肺がん、乳がん、大腸がん、子宮がんの5種類のがん検診が厚生省による老人保健事業の一環として全国的な規模で行われていま す。最近、これらがん検診の有用性について疑問が投げかけられたために、厚生省は「がん検診の有効性評価に関する研究班」を設置し、その効果について報告 書をまとめました。この報告の中で胃がん検診に関しては、全国集計の成績から、死亡率減少効果は40~60㌫と推定されるとして、その有効性を高く評価し ています。ちなみに、平成7年度には全国で676万人が胃がん検診を受けており、この中から6718人の方にがんが発見され、その発見率は約0・1㌫と報 告されています。 さて、越谷市における胃がん検診は現在どのように行われているのでしょうか。 越谷市の胃がん集団検診の歴史は古く、全国に先駆けて、昭和36年から始まりました。そして、この検診の大きな特色は内視鏡(いわゆる胃カメラ)を用い た検診システムにあります。通常、胃検診はバリウムを飲んで行うレントゲン検査で実施されており、全国のほとんどすべての市町村はこの方式を採用していま す。では、なぜ越谷市では内視鏡で検診を行っているのでしょうか。それには2つの理由があります。まず第1に、内視鏡の高い診断精度が挙げられます。レン トゲン検査は白黒の影絵から診断を行う方法であり、粘膜の色変わりや微細な凹凸から始まる早期胃がんの診断には、肉眼的に直接観察を行う内視鏡検査が有利 です。もう一つの理由として、放射線被曝からの解放があります。内視鏡検査では放射線を使用しませんので、何回行っても人体にはまったく無害です。 越谷市ではこの内視鏡による集団検診を毎年4月に保健センターにおいて実施しています。さらに、市民の皆さんの受診の利便性を考慮し、6月から11月末 まで、市内の医療機関において個別(施設)検診も行われています。個別検診では、どうしても内視鏡検査が苦手な方はレントゲン検査の選択も可能です。 昨年度、越谷市の胃がん検診を受けた方は集団・個別検診合わせて3563人で、このうち85㌫の方は内視鏡による検診を受けており、14人の方にがんが発見され、その発見率は0・4㌫と、全国平均の4倍でした。 現在、胃がんはすでに秦死に至る病紳ではなくなりました。早期がんの状態で発見すればほぼ100㌫治ります。秦転ばぬ先の杖紳、少なくとも年に1回の検診をお勧めいたします。

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