Monthly Archives: October 1998

No.310 大腸がん検診について 大沢 勉

大腸がんは増加傾向にあります。このままで行くと21世紀には、胃がんより大腸がんによる死亡者が多くなることが予想されます。増加の原因は、肉食を中心とした高たんぱく、高脂肪といった欧米型の食生活にあると考えられています。 そのため厚生省では大腸がん検診を平成4年度より老人保健事業へ組み入れています。検診の対象者は40歳以上の方で、年1回、毎年の検診となっていま す。検診の項目は①問診、②便潜血検査です。結果は、問診を参考に便潜血結果より判断し、「便潜血陰性」および「要精密検査」に区分します。 問診は便に目に見える出血があるか、大腸がんになりやすいハイリスクグループかを聞くものです。便潜血検査は大腸にがんがあると出血することが多いとい うことを応用した、無症状者を対象としたスクリーニング検査です。現在行われている免疫法は主に大腸からの出血に鋭敏に反応します。便のとりかた(多くの 場所から、適量、冷所に保存)や回収時間(2日を超えない)に注意が必要です。検体は1日分より2日分出すことで早期がんの感度が高まります。 平成9年度の越谷市における大腸がん検診の受診者総数は7064名でした。そのうち、便潜血陽性者数は488名で6・9㌫の陽性率でした。精密検査を受 けた人から12名の大腸がんが発見されました。そのほかには大腸ポリープ、痔、大腸憩室などの病気が見つかっています。精密検査を受けない人が224名も いましたが、便潜血が陽性の人は精密検査を必ず受けることをおすすめします。 便潜血陽性者に対する精密検査は原則として全大腸内視鏡検査またはS状結腸内視鏡および注腸X線検査です。場合によっては注腸X線検査(バリウムによる)単独でも可能です。 大腸がんは肛門の近くの直腸にできるのが約3分の1で、その上のS字状に曲がった部分のS状結腸にも多くでき、両者で大半をしめます。そしてその次に多 いのが奥の上行結腸です。大腸がんの症状は、かなり進行するまでは無症状ですが、腹痛や便通の異常、そしてもっとも重要な症状は便に血がつく出血です。 いずれにしても治療可能な大腸がんの早期発見には検便による大腸がん検診は有効です。毎年、続けて受診することをおすすめします。

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No.309 子宮がん検診 佐藤 辰之

正常細胞が、がん細胞に変化した状態をがんといいます。人間の体は約60兆の正常細胞から成り立っていて、一つ一つの細胞は組織や臓器によりその大き さ、形はさまざまで、働きもいろいろです。正常細胞が複雑な過程を経てがん細胞に変わるのですが、どの細胞もがん細胞に変わるわけではありません。 例えば完成された細胞は一定期間働き、その機能を果たすと老化、退化し、新しい細胞に置き換えられます。がん化する細胞は新しい分化しつつある細胞または不分化の細胞なのです。 子宮頸がんは正常細胞から異形成細胞(軽度、中等度、高度)、そしてがんへと進行します。がんの発生は化学物質によるもの、物理的原因によるもの、ウイルス感染によるものといろいろ考えられていますが、すべて絶対的なものではありません。 今や、がんは遺伝子病であるといわれる時代となり、細胞増殖や機能を制御するのは遺伝子であり、多くのがん遺伝子とがん抑制遺伝子が発見され、さらに分 子生物学の発展に伴いヒトパピローマウイルス(HPV)が、子宮頸がんの発生に関係している事も明らかになり、がんの予防や治療に利用されつつあります。 いずれ近い将来には、遺伝子の病気であるがんを遺伝子操作によって治す事のできる時代が来るかもしれません。 しかし現時点においては検診を主体とした早期発見、早期治療に勝る手段はありません。最近は全国的にも検診の受診率に「かげり」が見えてきましたが、末受診者からはⅡ~Ⅵ期の進行がんが発見される事も多いのです。 また、一度正常と判定されると、それがいつまでも続くものと錯覚する人がいますが、細胞は常に増殖、分裂と動的に働いて変化するため、検診は毎年受診し なければ早期発見、早期治療に結びつきません。できる限り多くの女性が自覚症状のないうちに検診を受けて、がんから身を守ってほしいと思います。

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