Monthly Archives: March 1999

No.319 痔瘻(じろう)について 市川 純二

痔の病気にはいろいろありますが、肛門の周囲より膿(うみ)が出る場合、痔瘻、肛門周囲膿瘍(のうよう)に代表される痔瘻の系統の病気が考えられます。 痔瘻といえば、昔は結核性のものと思われていたことがありますが、最近は結核性のものはほとんどなく、主として大腸菌が原因です。 痔瘻というのは直腸肛門管と連絡のある管のことです。普通は大便中の細菌が肛門管の一部から侵入して肛門のまわりに炎症をおこします。その結果膿がたまって、それが破れると肛門管と連絡する治りにくい管が残ります。これが痔瘻です。 痔瘻には簡単なものと複雑なものといろいろありますが、次の4つに分類されます。 Ⅰ型…皮下痔瘻 Ⅱ-L型…低位筋間痔瘻 Ⅱ-H型…高位筋間痔瘻 Ⅲ型…坐骨(ざこつ)直腸窩(か)痔瘻 Ⅳ型…骨盤直腸痔瘻 痔瘻の治療で、一番確実で安全な方法は入院して手術することです。痔瘻でも単純なものと複雑なものといろいろあり、それによって手術法も違います。手術 の原則は感染源である肛門陰窩(原発口)と肛門腺(原発巣)の切開開放と瘻管壁の壊死(えし)、瘢痕(はんこん)組織の除去および適切なドレナージです。 次に肛門周囲膿瘍について説明しますと、直腸と肛門の境に歯状線というものがあります。この漏斗(ろうと)状にへこんだ部分(クリプト)に汚物が侵入し 炎症がおき、肛門腺管から肛門腺へと進み化膿して膿がたまります。こうなると肛門の痛みが強くなり、熱も出ます。痔疾患で発熱するのは、この肛門周囲膿瘍 だけです。自然排膿したり、切開して膿が出ると痛みは楽になり熱も下がります。運のよい場合は、自然にクリプトがふさがってそのまま治る場合もあります が、ほとんどは排膿があり、完全に直すには根治手術を行うほかありません。 最後に、痔瘻は薬では治りません。早いうちに専門医に診てもらい、適切な手術を受けることが大切です。

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No.318 心筋梗塞 原 直

ピッ…ピッ…ピッ…。心電図モニターのある病院にいるのに気づいた。口の前には、酸素マスクがつけられていた。「あなたは心臓の発作で入院しました。心 筋梗塞(こうそく)です。心臓の筋肉へ血液を送る主な3本の血管のうち1本が詰まったのです。ここは、CCUという心臓病の集中治療室ですよ」と担当医師 が声をかけてくれた。 そういえば今朝早く家を出て駅の階段を早足で登っているときに胸をドカーンと大きなハンマーで殴られたような痛みに襲われた。余りの痛さに立てなくなり このまま死ぬのではないかと思った。その後、救急車に乗せられ、脈の乱れを感じ意識がもうろうとしてきた。遠くで医師の話し声がかすかにした。 あぁ…。最近仕事が忙しく、食後や走ったりすると胸がモヤモヤする感じがあったなあ。昨年の検診で高血圧を指摘され、コレステロールも高いし少し糖尿病 の可能性もあると言われ近所の医院に通院していた。時々左肩や胸の中央が痛んだので狭心症と言われ、発作時に使う舌下錠をもらっていた。「高脂血症、高血 圧症、糖尿病があると要注意だよ。喫煙したり、ストレスがたまったりすると心臓発作を起こしやすくなるよ。アメリカ、イギリス、スウェーデンではコレステ ロールが高いほど心臓発作を起こしやすくなるという統計がでているからね。コレステロールが高いと、血管の内側に粥(かゆ)状のかたまり(アテローム)が でき、血管の内側を狭くして発作を起こしやすくなるんだよ」と、近所の医師が言っていたのを思い出した。 入院して2日目、右隣りに心臓発作で入院した人は足のつけ根からカテーテルという細い管を入れて詰まった血管の血栓を薬で溶かしたらしい。左隣りの人は 以前発作を起こし、その後も時々胸痛があるため、カテーテルを入れて細くなった血管を拡張したそうだ。その他、血管をバイパスする手術もあるそうだ。 幸いにも数日後に一般病室に移り、リハビリテーションを受け退院し、現在は仕事に復帰した。心臓発作を起こし、医師の必死の治療にもかかわらず亡くなったり、病院に運ばれる前に亡くなったりする人もいると聞いた。 心臓発作を起こさないようにするために、医師の注意事項を守り、ストレスをためないように生活していこうとあらためて思うのである。 -ある患者の手記より- これはフィクションです。しかし、だんだん増えてきているのです。皆さん健康管理を大切にしてください。

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