Monthly Archives: May 1999

No.323 近視の治療 小林 豊

近視の人は遠くのものがはっきり見えず、ある一定の距離から近くのものが見えます。遠くが見えづらいのは、映像が目の奥(網膜)に届かず、手前で焦点を 結んでしまうためです。このため近視の治療は、目に入ってくる映像の焦点を網膜に合わせるか、より近づけることを行います。 治療法には、①メガネ・コンタクトレンズ、②目薬、③手術があります。ほとんどの場合、まずメガネで治療を始めます。 ①メガネを処方するときは、疲れやすくならないように、充分に時間をかけて検査を行います。子供の近視は成長とともに強くなる傾向があるので、定期的に 視力検査を行い、必要であればメガネの度を強くします。大人では40歳代になると老眼の要素が入ってきます。この頃になると、メガネをかけたままで長い時 間近くを見ていると、目や頭の痛み、肩こりを感じたり、あるいはものを遠ざけて見るようになります。このような時は、読み書きの際にメガネをはずすか、近 くを見やすい少し度の弱いメガネを作るとよいでしょう。 コンタクトレンズはメガネが合わない人や、スポーツをする人、近視の度合いがとても強い人、左右の視力がかなり違う人などに向いています。硬いハード・ コンタクトレンズと柔らかいソフト・コンタクトレンズがあり、使用する人に合ったものを選びます。黒目に直接レンズをのせるので、最初は違和感があります が徐々に慣れていきます。定期的な検査が必要ですが、充血やひどい痛みがあるときは、中止してなるべく早く眼科を受診してください。 ②遠くを見るときに、調節力(近くを見る力)が働いてしまい、近視が本来より強くなっている人や、近視ではないのに遠くが見えづらくなっている人が時々 います。この状態を調節けいれんと呼びます。このようなときは近視の程度を正確に調べるため、目の緊張をやわらげる方法で、視力検査を行います。調節けい れんの要素が多く入っている場合、ごくまれに目薬で緩和され、ある程度裸眼視力が向上することがあります。 ③手術は屈折矯正手術と呼ばれ、角膜(黒目)に行います。角膜の中心部の屈折力(光を曲げる力)を弱くすることで、映像の焦点を網膜に近づけ裸眼視力を 向上させます。現在はレーザーを用いて行うことが主流です。日本眼科学会が決めた適応条件に沿って手術が進められていますが、まだ臨床治験の段階で、健康 保険の適応ではありません。

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No.322 不整脈について 大越 恭二

心臓は血液を送り出すために、一定のリズムで収縮と拡張を繰り返しています。ところが、何かの原因でリズムが乱れ、心臓の打つ回数が極端に速くなったり、おそくなったり、不規則になったりすることがあります。 この状態を不整脈といいます。不整脈の種類としては、心臓の刺激の起こり方の異常として、期外収縮、心房細動、発作性頻拍(ひんぱく)症などがあり、心 臓の刺激の伝わり方の異常として、房室ブロック、脚ブロック、WPW症候群などがあります。これらを診断するためには、まず心電図検査を行う必要がありま す。しかし、発作中(不整脈が出ている時)にしか心電図に変化が出ないものもあるため、ホルター心電図という携帯用小型記録計をつけて、24時間連続記録 をとることもあります。また、運動負荷テストといって、心臓に運動による負荷をかけ、不整脈の出現の有無をみる検査などもあります。 不整脈の自覚症状としては、動悸(どうき)、息切れ、めまい、失神(意識が遠くなる)、胸部不快感、脈がとぶ、などさまざまです。この中には、向じよう な症状が出ていても緊急治療が必要なものから、そのまま経過をみていても心配のないものまであります。例えば、期外収縮という不整脈では、基礎に不整脈以 外の心臓病がある場合は問題となりますが、若い健康な人がストレス、疲労、睡眠不足、アルコールの飲みすぎ、タバコの吸いすぎ等で起こる場合は、不整脈そ のものはあまり問題になりません。 合併症として、慢性的に不整脈がある場合は、心臓内での血液の循環が不規則となり、小さな血栓を作り、それが末しょうの血管につまることにより末しょう動脈閉塞(へいそく)症や脳塞栓(のうそくせん)症を引き起こすこともあるので注意が必要です。 治療としては、主には薬物療法ですが、不整脈の種類によってはペースメーカー挿入や心臓カテーテルによる刺激伝導路の焼灼(しょうしゃく)などが必要な場合もあります。 以上のように不整脈には、種類により治療の必要の有無を決めたり、治療法の選択をする必要があるため、正しく診断することが大切です。そのためにも、自覚症状がなくても健康診断等を受けたり、自覚症状があれば速やかに医療機関で相談してください。

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