Monthly Archives: October 1999

No.332 薬の使い方(ステロイド外用剤) 皆川 陽美

ステロイドってなにかしら、怖い薬ではと考えていらっしゃる方がいると思います。 腎臓の上に副腎という臓器があります。副腎は副腎皮質ホルモンを出しています。このホルモンは、炎症や免疫の反応を抑える働きがあります。この同じ作用をもつ成分を合成した薬をステロイドと呼んでいます。飲み薬や注射薬、外用剤(ぬり薬)があります。 ステロイド外用剤には、炎症を抑える力が強いものから弱いものまであります。さらに軟こう、クリーム、ローション、スプレー、テープ剤などのタイプがあ ります。どの強さで、どのタイプを選ぶかは使用する部位、症状、年齢、季節、生活環境等で違ってきます。通常はステロイドの呼吸率の違いを考慮して、顔や 首、腋窩(えきか)や陰のう部には弱いステロイドを選びます。高齢者や乳幼児には少し弱めのステロイドを選びます。虫刺されやかぶれ、慢性湿しん等は、強 めのステロイドを選びます。汗をかく所等はクリームやローションを、乾燥している所は軟こうを選びます。頭部にはローションが使いやすく、テープ剤は慢性 の局面等に直接貼りつけて使用します。 塗り方は1日1~3回、病変部の皮膚のみに薄くぬります。塗る回数は皮膚の状態によって違ってきます。塗った上にリント布に他の軟こうを伸ばしてはる方法もあります。 症状が落ち着いたら、弱いステロイドにしたり、塗る回数を減らしたり、やめたりといった調節が必要となります。アトピー性皮膚炎等、長期にステロイド外 用剤を使う疾患はステロイド外用剤で炎症を抑えたら保湿剤(皮膚の乾燥を防ぎ保護をする薬)にしたり保湿剤を広範囲に塗った後、ステロイド外用剤をひどい 所にだけ、使用したりします。 ステロイド外用剤は炎症を抑える強い味方ですが、細かい配慮をせずに使用していくと副作用が出てきます。例えば真菌や細菌が感染しやすくなったり、皮膚 が薄くなったり、皮膚の血管壁が弱くなったりすること等があります。また、長期に使用していて急に中止した場合、症状の悪化が起こることがあります。ステ ロイド外用剤は予防的には使わないで医師と相談して使用してください。

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No.331 解熱剤の使い方(特に小児について) 秋山 美智子

熱さましの使い方については、いろいろな意見があり、保護者の方もどうしてよいか、とまどっていることが多いようです。 体温は、頭の中の視床下部という場所で調節されています。発熱の原因は、 ①体温の調節が、正しく働かなくなってしまった場合(風邪など) ②体温の調節は正常だけれど、熱の産生が多すぎた場合 ③体温の調節は正常でも、熱が身体より出ていきにくくなった場合(熱射病など)があります。 この中で②と③は熱さましを使う必要はありません。水分を取り、涼しい環境にすることが大切です。熱さましの必要なのは①の場合だけです。また、熱のた め、子どもの頭に影響が出てくるのではないかと心配する人も多いようですが、41・0度以上の異常高熱や、特殊な病気以外は、発熱だけで頭に熱による影響 が出てくることはありません。そして、熱さましが病気を治すこともありません。逆に、熱さましを安易に使ってしまうと、病気はかえって長引いてしまうこと もあります。これは、熱が出ることにより、身体自体が病気の原因となるウイルスや細菌をやっつけているからです。無理に熱を下げてしまうと、やっつける力 も弱くなります。また、熱さましの副作用も心配です。 しかし、熱が高いと、食欲もなくなり、水分もとりにくくなりますし、夜も寝苦しくなり体力も落ちてしまいます。熱性けいれんを持つ子どもは、熱を下げることでけいれんも起こしにくくなります。 熱さましは使い方により悪者にもなり、逆に強い味方にもなります。38・5~39・0度以上で、ぐったりして水分も取りにくい時や、睡眠を妨げられた時 は使った方がよいでしょう。38・5度以上でも、食欲もあり、元気もよい場合は使う必要はありません。水分をよく取り、氷まくら、額にはり熱をさますシー ト等で冷やしてください。 熱さましを使っても、平熱にならないと心配する人もいますが、熱さましの役目は体温を少し下げて、充分に水分を取り、よく眠れるようにすることなので す。熱さましには、たくさんの種類があり、病気によっては使ってはいけない種類もあります。また高熱により、神経障害を起こす特殊な病気や、心臓病などの 慢性病のある子ども、熱性けいれんを持つ子どもは、かかりつけの先生によく相談し、正しく熱さましを使うようにしてください。

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