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No.349 ドックで発見された脳動脈瘤 丸木 親

Q脳ドックを受診したのですが、脳の血管に動脈瘤(どうみゃくりゅう)があると指摘されました。 破裂して、くも膜下出血を起こす可能性があると聞いてとても心配です。手術を受けなければいけないでしょうか? A脳の動脈が風船のようにふくらんだ脳動脈瘤は、破裂すると脳の表面や脳内に出血をきたし(くも膜下出血)、およそ半分が死亡すると言われています。生ま れつきの素因に動脈硬化、高血圧、喫煙習慣などが加わって、多くは中年以降になり発症します。脳ドックにおける破裂していないと思われる脳動脈瘤の発見率 は、受診者の4~6㌫と言われていますが、二親等以内に脳動脈瘤が破裂した方がいれば、8~14㌫と高率になります。 我々の施設でも近年、未破裂脳動脈瘤の患者さんの手術例が増加しており、脳外科医の立場からも合併症を最小限にしなくてはならない予防的手術なので、非 常に精神的な重圧となっています。よくご理解いただきたい点は、たとえ瘤があったとしても、必ず破裂するものではないという点です。出血する確率を正確に お答えすることは現時点では難しいのですが、少ないものでは年間0・5㌫、多いもので3㌫と統計もさまざまです。また、年齢、瘤のできる場所や、形によっ ても破裂の危険性に違いがあり、何よりも手術となった場合、手術しやすい場所かどうか、合併症が起きやすい場所かどうかの判断も大切です。判断には極めて 専門的な知識が要求されます。近年では血管内からカテーテルで瘤のなかにコイルを充填(じゅうてん)する頭を外科的に開かない手術も発達しています。 動脈瘤の手術を受けるほうがよいのかどうかはドックでとられたフィルムを持って、脳神経外科専門医に相談し、十分情報を得られてからお決めになる方がよいと思います。この際、違った施設にも受診され、もう一人の脳外科医の意見も参考にすることもよいでしょう。 現在、未破裂の動脈瘤の危険性について各国の脳外科医も動き出したばかりですので、正確な個人個人の情報をもとにした危険率が判るようになる日も近いと 考えています。なお、破裂してしまった脳動脈瘤の手術、血管内手術が必要なのは再破裂の危険性が非常に高いのでやむを得ないことです。

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No.348 糖尿病薬の副作用が心配 板橋 秀雄

Q糖尿病で通院しています。以前から同じ薬を飲んでいましたが、最近血糖が高いため薬が変わりました。主治医から肝臓が悪くなる副作用を知らされ不安です。糖尿病薬の種類や副作用などを教えてください。 A最初は効いていた薬の効き目がうすれてくる、二次無効と呼ばれる状態になったものです。この場合は他の経口薬を併用したり、インスリンに変える必要があ ります。ただ二次無効にみえても実は食事・運動療法が不十分のため効き目が落ちている方が多いのです。もう一度食事・運動療法を厳格にやってみてくださ い。 ここでは、経口糖尿病薬の作用のしくみと注意点について書いてみます。①SU剤(オイグルコン、ダオニール、グリミクロンなど)。すい臓のインスリン分 泌を促し、血糖を下げます。最も広く使われている薬です。低血糖の副作用はありますが、この薬特有の副作用はありません。②αグルコシダーゼ阻害薬(ベイ スン、グルコバイ)。腸での糖分の吸収を遅らせ、食後の高血糖を抑えます。低血糖をおこした時は、砂糖やご飯を食べてもすぐには低血糖から回復しませんか ら、直接血糖を上げるブドウ糖やブドウ糖を含むジュースを飲んでください。おなかの張りやおならが増える、肝機能異常が出ることがあります。③インスリン 抵抗改善剤(アクトス)。糖尿病になる原因は、すい臓でのインスリン分泌不足のほかに、インスリンに対する体の反応が鈍くなって高血糖になること(インス リン抵抗性)があります。インスリン抵抗性のある患者さんの特徴として、肥満があり空腹時血中インスリンが高いことがあげられます。肝機能には十分注意を 払う必要があり、1カ月に1回の血液検査を必ず受けてください。むくみの副作用があり、女性に多く現れます。心疾患がある方には使えません。④ビグアナイ ド剤(メルビン等)。肝臓・筋肉などすい臓以外の組織に対する作用で血糖を下げます。一時副作用の心配からほとんど使われない時期がありましたが、その後 見直されるようになりました。 経口薬でもインスリンでもまず少量から始め、血糖値の動きにあわせて量を加減します。自覚症状では効果はわかりませんのでおっくうがらずに血糖チェックを受けてください。

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No.347 高血圧 松本 佳久

日本の高血圧の患者さんは、近年増えており、現在、約3000万人の患者さんがいるといわれています。高血圧には、原因のわからない本態性高血圧と、ほ かの病気に伴って起こる二次性高血圧がありますが、患者さんのほとんどが本態性高血圧です。ここでは、主に本態性高血圧について説明します。 高血圧の患者さんが増えているのは、日本人の血圧が高くなっているわけではなく、高血圧の診断基準そのものが厳しくなったことによります。以前の高血圧 の診断基準は、「収縮期血圧160以上、拡張期血圧95以上」でしたが、現在は「収縮期血圧140以上、または拡張期血圧90以上」に変わりました。 血圧が年齢とともに高くなるのは血管が細くなるので、やむをえないとかつてはされてきました。しかし、今では、若いころから血圧上昇をおさえ、正常血圧 に近づけておいた方が合併症への進展を妨げることがわかってきました。そのため、高血圧の基準も見直され、治療の基準が厳しくなったのです。 高血圧の合併症には、血管が強い圧力を受けるために起こる大動脈瘤などの血管の病気や、高血圧が動脈硬化の原因となるため、血管がもろく詰まりやすくなり、脳の血管の障害による脳卒中、心臓の冠動脈の障害による狭心症、心筋梗塞などの重篤な病気があります。 これらの合併症を予防することが高血圧の治療の目的です。薬で血圧を下げると、心臓病や脳卒中などの病気の発症率も低下します。降庄薬にはいろいろな種 類があり、薬の量や種類、服用する時間、回数は、患者さんの血圧変動や合併症に合わせて調整されます。また、薬の効果をみるためには自宅で血圧を測ること も大切です。しかし、自分で測った血圧値を見て、勝手に薬を増減したりせずに、血圧の変化や薬の量などが気になるときは、必ず主治医に相談するようにしま しょう。 最後に、高血圧に関する日常生活における注意点として、1.規則正しい生活。過労やストレスを避ける。2.十分な睡眠と適度な運動。3.食塩摂取は一日 10㌘以下とする。4.食べ過ぎないこと。肥満の改善と防止。5.野菜、果物、海草類は豊富に食べること。6.たばこの吸いすぎや、アルコールの飲み過ぎ を控える。7.便通を整える。8.熱いふろは避ける。9.寒さに気をつける。などをあげておきます。

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