Yearly Archives: 2006

No.421 抗不安剤の依存症について 若葉クリニック 池田 恭子

抗不安剤という呼び名は聞きなれなくても、安定剤と聞くと「ああ、それか」とわかる人も多いと思います。抗不安剤は精神神経科、心療内科はもとよりそれ以外の多くの診療科において、患者さんの症状と不安との関連性が考えられる場合に処方されます。結果として、期待通りに効果が出る時とそうでない時がありますが、効果を自覚された人は助けられたという実感を得ることになります。このこと自体なんの問題もありませんが、時に困ったことが起きます。 不安やそれに伴う動悸どうき、めまい、頭痛、息苦しさ、またしびれなどが軽くなったり・消えたりした時、その人は助けられたと強く感じ、その薬がなくてはならないという気持ちになることがあります。場合によっては薬から離れられなくなったり、中止することを怖れるようになり、それが依存という状態です。依存には大量の薬を長期間服用していて、急に中断した時に、頭痛、ふるえ、めまい、吐き気などを起こす身体依存と、特定の抗不安剤を強く希望し、さまざまな方法を使ってその薬を求めるという精神依存とがあります。その結果、特定の薬にこだわるあまり複数の医療機関を受診したり、紛失したなどと言ってまた薬をもらう場合も起きます。そして、医師が薬を変えたりすることを拒否することもあります。このような状態は薬の種類、用量、期間そして服用する人の性格なども関係しています。こういうことは実際はそう多くはありませんが、症状がよくなっていても服薬していたほうが安心ということから、長期に服用を希望する患者さんが比較的多くみられます。 一定の時期が過ぎ症状が改善し安定してきた時には、減量したり中止したり、また必要があれば他の薬に変更することも考えなければなりません。抗不安剤のなかでも比較的ゆっくり効き、依存の起きにくいものもあります。またある種の抗うつ剤(うつ状態に対する薬)で抗不安剤の代わりをしてくれるものもあります。今のところ大きな社会問題とはなっていませんが、医療以外に使われたり、乱用ということを考えますと、個人の問題であると同時に今後の社会的問題になると考え、充分な注意が払われるべきです。 終わりに、医療関係者の配慮も当然必要ですが、患者さんも医師の指導、指示をよく聞き治療方針を理解していただきたいものです。

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No.420 検尿について 越谷大袋クリニック 大薗 英一

Q.健診で尿の異常をいわれました。どこも悪くないのですが・・・ A.「尿検査で何がわかるの?」と思っている方はいませんか。血液検査などと比べると安易な検査に思われがちですが、尿の検査は腎臓や膀胱ぼうこうの疾患・糖尿病などの全身性の疾患を発見する上で有効な検査です。特に腎臓の病気はなかなか症状が出にくいのが特徴で、本人が気付かないまま病気が進行する場合があります。腎臓は体の中の要らないもの(不要物)を尿として排泄はいせつし、必要な物質を再吸収する働きがあります。腎臓に異常をきたすと老廃物が体に蓄積され、逆に糖や蛋白たんぱくなどの体に必要な成分が尿の中に排泄されてしまいます。病気が進行し体のだるさ、むくみのような自覚できる症状が出る前に尿に異常がでてきます。 尿の検査結果で基準値を超える蛋白や血液・糖を認めた場合、正常と判断された方より病気が隠れている危険性が数十倍高くなると言われています。しかし1回の検査結果だけでは判断できません。検査の前日や当日の状態により検査結果が変化することがあるからです。必ず再検査を受けましょう。尿検査を受ける際に気をつけることとして、風邪など急に体調を崩したときには避けた方がよいでしょう。また女性の場合、生理の時も同じです。検査の前日や当日は、過激な運動を避け、十分な睡眠をとってください。無理をすることで一過性の尿異常を起こす場合があります。実際に健診で尿異常を指摘され、再検査で病気が見つかった方は二十人に一人と言われています。異常が見つかった場合にはかかりつけの先生に相談してください。 最後に、現代人の腎臓は塩分過多の食生活により酷使され続けています。「腎臓に優しい生活」を実践するには、「塩分」が重要な位置を占めています。塩分は腎臓から排泄するため、とりすぎてしまうと過剰に腎臓を働かせ、負担をかけてしまいます。 皆さんも塩分量を少しでも減らして腎臓に優しい生活を心がけてみませんか?

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No.419 小児の包茎について 越谷ふれあいクリニック 根本 貴史

日常診療において、よく患児のご両親、特にお母さんから男児の性器に関するさまざまな質問がみられます。特に多いのが小児の包茎に関する質問で「(包皮ほうひが)むけないので包茎でしょうか。治療したほうがいいのでしょうか」「ときどき赤くなって痛がります」「白いしこりのようなものがくっついています」「おしっこのとき、膨らんでうまく尿がでない感じがします」などです。これらは小児包茎にまつわる多彩な症状であり、まず小児包茎とは何かについての説明、ついでその治療についてお話しようと思います。 包茎とは包皮によって亀頭が隠れている状態をいいますが、用手的に包皮を翻転して亀頭が露出するか否かによって真性包茎と仮性包茎に分けられます。また、亀頭が露出困難な原因としては包皮の先端がきつい(包皮輪が狭い)ためと包皮の内側部と亀頭が癒着ゆちゃくしているための2つが考えられます。もちろんこの2つの原因が合併していることもみられますが、いわゆる真性包茎とは前者の包皮の先端がきついことが主な原因と考えられます。真性包茎は乳児期ではほとんどのお子さんにみられますが、年齢とともにその割合は減少し、17歳時にはその頻度は1%以下であるという報告があります。いわば生理的なものであり、多くが自然治癒ちゆ傾向があるといえますが、ここで問題となるのは、感染によって包皮が赤く腫はれたり、膿うみが出るといった包皮炎を繰り返す場合や包皮輪が狭いため排尿時に尿が貯留して包皮が風船のように膨らむ(バルーニング)といった排尿障害を伴ったりする場合です。 このような状態が治療の対象となりますが、その治療目的は、原因である包皮先端のきつさを解除し、容易に亀頭が露出可能な状態にすることであります。治療法としては手術による方法や、狭い包皮輪部への軟膏なんこう塗布とふによる方法が選択されます。特に、弱ステロイド軟膏塗布による治療は低侵襲ていしんしゅう、安全性かつ有効性も高く、近年注目されている治療法です。しかし、いずれにせよ治療を行うにあたっては、包茎の程度の判断と、一定期間の経過観察および局所きょくしょの清潔保持の指導などが必要となりますので、お悩みの時は、ぜひ一度、小児泌尿器科医や小児外科医といった専門医にご相談されることをお勧めします。

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