Yearly Archives: 2007

No.433 子供の嘔吐 越谷ふれあいクリニック 土屋 博之

今回は、子供の嘔吐における注意と代表的な病気について説明したいと思います。赤ちゃんが吐いた時まず気をつけることは、誤嚥ごえんしないようにすることです。横を向かせ上半身を高くして気道を確保してください。次に吐物とぶつの処理と手洗いが大切で、特にウイルス性胃腸炎では家族内感染が起きないようにしましょう。その上で、いつ、何をどの様に吐くのか、下痢げりや風邪症状などはないかをチェックしましょう。 さて、授乳中や授乳後におっぱいやミルクをダラダラと吐くとか、げっぷと共にガボッと吐くなどは、赤ちゃんの胃の未発達による生理的な現象であり多くは問題ありません。しかし嘔吐のほかに下痢や発熱などの症状がある時は、ウイルス性胃腸炎(ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどによるもの)が考えられます。嘔吐の強い時に、脱水を恐れて無理に多くの水分を飲ませるのは症状を悪化させるだけです。嘔吐後1~2時間すると吐き気がおさまってきますので、それから少量ずつこまめに水分補給(ベビー用イオン飲料水など)をしましょう。しかし、ぐったりしている、おしっこの出が悪い、体重減少などを認める時は早めに受診してください。吐き気止めの座薬やシロップなどの経口薬の服用、また状態により輸液療法が必要となります。 下痢、発熱や風邪症状がなく、生後2~4週頃から授乳のたびに噴水のように勢いよく吐くことを繰り返す赤ちゃんは、肥厚性幽門狭窄症ひこうせいゆうもんきょうさくしょう(胃幽門部の筋が厚くなり、内腔が狭くなる疾患)が疑われます。内科的治療もありますが、多くの場合、傷も小さく安全な手術(幽門筋切開術)で早く元気になります。 それまで元気だった赤ちゃんが、突然顔色が悪くなり、吐いたり、腹痛のため脚をおなかに引き寄せて泣き出します。しかし、2~3分で痛みが治まりケロッとしますが、また20~30分後に繰り返します。いちごジャムの様な血便がでることもあります。このような時は、腸重積症(腸管の一部が肛門側の腸の中に入り込む疾患)が考えられます。早期治療が大切で発症後48時間以内であれば、多くは開腹手術することなく、高圧浣腸で整復できます。 子供の嘔吐は、ほかにもいろいろな原因がありますので、まずは脱水や病気の進行で重症になる前に小児科あるいは小児外科を受診してください。

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No.432 スキンケア 保湿の重要性 中井皮膚科医院 中井 太一

スキンケアで、できることは3つあります。(1)清潔、(2)保湿、(3)紫外線防御です。今回は「保湿」について述べたいと思います。 その前に、肌の構造と機能について触れておきます。皮膚は、外から表皮、真皮、皮下組織の3つに大きく分けられます。中でもスキンケアと最も深く関係しているのは表皮です。表皮は4つの層で構成されており、その一番外側が角層です。角層はラップ一枚ほどの厚さで全身を包んでいます。角層の最も重要な働きは「バリア機能」です。外からはウイルスや細菌、紫外線、温熱などの物理的刺激、ホコリ、アレルゲンなど多彩な攻撃が皮膚に加えられます。その攻撃を防いでいるのも、バリアとしての角層の大事な役目です。そうしたバリア機能を助けることが、スキンケアの役目といってよいでしょう。前述のスキンケアでできる3つのポイントも、基本的には角層のケアです。角層の外側には、皮脂腺から出た脂と汗や水蒸気が混ざり合って天然のクリームになっている皮脂膜があります。洗浄は肌の汚れを洗い流すことが目的ですが、同時にこの皮脂膜も取ってしまいます。その取り去った皮脂膜を補って、肌が乾燥しないように元に戻すのが保湿の役割です。 では、保湿剤を塗布するタイミングですが、入浴により上昇した角層水分量は入浴後20分で入浴前と同程度まで低下しますので、入浴後はできるだけ早く塗布した方が良いでしょう。なるべく入浴後10分以内に。また塗布回数は1回より2回の方が有効です。塗布量については、多く塗布した方が保湿効果は高まります。目安としてはティッシュペーパーが付着する程度です。外用方法はしわの方向に沿って手のひら全体を用いて塗ってください。また皮膚を保湿する皮脂は年齢と共に分泌量が変化します。 生後6カ月ごろまでは皮脂の分泌は盛んですが、その後思春期に至るまで非常に乾燥します。思春期以後は男性は50歳代まで維持されますが、女性では「お肌の曲り角」といわれる40歳前後から徐々に減少していきます。エアコンなどにより住宅環境も変化していますので、冬場だけでなく夏場もきっちり保湿してください。

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No.431 乳がんについて ハラクリニック 原 直

わが国で乳がんと診断される女性は、1年間に4万人にのぼっています。食生活の欧米化にともない年々増加しています。1990年代に胃がんを追い越し今では、女性のがんの中で罹り患率第1位となり、女性のがん死亡率では、肺がんについで第2位となっています。 乳房は、出産時に乳汁を分泌する大切な役割をもつ皮膚の付属器官です。その中には「乳腺にゅうせん」と呼ばれる腺組織と脂肪組織、血管、神経などが存在します。乳がんは、この乳腺を構成している乳管や小葉しょうよう(乳汁を分泌する小さな腺房の集まり)の内側の上皮細胞から発生します。乳がんは、ある程度のしこりがあれば、本人による自己検診でも発見可能です。しこりが2%以下で、リンパ節や全身への転移がないものは、早期乳がんと呼ばれ、極めて予後が良好です。なかでも、がんが乳管の中にとどまっている非浸潤ひしんじゅんがん、非浸潤がんが乳管の開口している乳頭に達して湿疹様病変を呈するパジェット病は、ごく初期のもので、予後が最も良好です。 乳がんの診断と治療法もここ10年の間で、格段に進歩しています。高性能乳房X線撮影(マンモグラフィ)は、触診では診断できないような乳がんや、しこりになる前の石灰化(1mmにも満たない)した微細な乳がんの発見に威力を発揮する検査法で、早期発見に役立っています。2004年に厚生労働省から、「マンモグラフィを原則とした乳がん検診」が推奨され、越谷市の乳がん検診(毎年5月~7月に実施)でも早期発見のため、医師による視触診とともに導入されています。 乳がんの治療法には、手術、放射線照射、化学療法、ホルモン療法などがあります。最近は、手術と他の治療法を組み合わせて、切除範囲を可能な限り小さくする方向で、治療法が検討されています。以前は、胸筋と乳房全部を切除するのが標準でしたが、最近では、胸筋温存乳房切除術や乳房温存術が行われるようになりました。 乳がんは、比較的性質の良いがんの一つであり、早期に発見して適切な治療を受ければ、ほぼ完全に治すことができます。そのためには、自己検診に加えて、乳がん検診を定期的に受けることが大切です。

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