Yearly Archives: 2008

No.445 動悸って何のこと 萬屋クリニック 萬屋 穣

みなさんがよく耳にする動悸というのはいったい何のことでしょうか。 動悸とは、医学的に表現しますと心悸亢進といいます。この心悸亢進、動悸は心拍数(心臓が1分間に打つ回数)がひどく増加する状態や心拍動(心臓の存在がわかる感覚の)不快な感じをいいます。 胸がドキドキする、ドンドンする、トコトコする、スースーする、バクバクする、脈が飛ぶ、脈がふれない、耳の下や頭でズンズンする、心臓があるという感じがする、心臓がとまる、などと患者さんは表現します。 さて、この動悸の原因はといいますと、これまた原因がひとつではないのです。「動悸の訴え方がまちまちなら原因もいろいろあるんじゃないの」確かにその通りですが、動悸の表現によって病気が決まる訳ではありません。 原因として多いのはやはり心臓の異常です。不整脈(脈の数、リズムの異常)、心臓の中の構造の異常、心臓の血管がつまることで起こる異常などです。心房細動という不整脈の原因となって動悸を感じることがあります。これらは、診察、心電図、レントゲン、超音波検査で調べることができます。 心臓以外でも動悸を感じることがあります。身近な原因としてタバコを吸ったり、コーヒーや濃いお茶、アルコールを飲んだりすると脈が速くなり、血圧が上がります。風邪などで熱が出ても脈は速くなります。貧血が進んで血液がうすくなるとより多くの血液を体に送ろうとするため、脈が速くなります。血糖値(血液中の糖の値)が低くなっても動悸を感じます。 臓器の働きすぎで動悸の原因となるものがあります。甲状腺という喉の近くにある器官の働きすぎで脈が速くなったりします。また、腎臓の上にある副腎という器官に腫瘍(できもの)ができると、働きが良くなりすぎてカテコラミンという物質がたくさん出て血圧が上がり動悸を感じます。これらの病気をさがすためには血液検査をすることで調べることができます。 検査結果に異常が見られないのに動悸を感じる場合もあります。意識が心臓に行ってしまい、病気があると思い込んでしまう場合。自律神経が不安定で心臓が速くなったり遅くなったりする場合に動悸を感じます。また、まれに肺や胸の周辺の病気や胃腸の病気でも動悸を感じる場合があり、動悸と一言で言っても原因は様々であります。治療しなくてもよいものから重症になってしまうものまであります。 いつもとちょっと違うなあ、と思う動悸を感じたら放っておかずに診察を受けることをお勧めします。原因によって治療もかわってまいります。しっかり診断して治療につなげていくことが大事です。

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No.444 大腸がんについて 石川医院(越ヶ谷) 石川 茂正

大腸がんによる死亡者数は年々増加の一途をたどっています。2003年には女性ではついに胃がんを抜いて悪性新生物による死亡原因の第1位になりました。男性でも、死亡原因として肺、胃、肝臓に次いで第4位ですが、近い将来消化器がんのなかで第1位になると予想されています。 大腸がんの発生には遺伝的要因に加え、食習慣を含む生活習慣が深く関わっています。食物、栄養とがんに関した研究で、牛や豚など赤身肉や加工した肉食品の摂取量の多い人に大腸がんのリスクが高いと認められています。また、過体重、肥満、アルコール摂取もリスクとされています。予防に確実に効果があるのは身体を動かすことです。従来いわれてきた野菜、果物の摂取の予防効果は研究により一致していません。ただし、胃がん、食道がんに関しては予防効果があり、奨励すべき生活習慣であることに変わりありません。肉食など脂肪を多く摂取する人や高脂血症のある人は注意が必要です。 大腸がんの自覚症状は便に血が付着する、便が細くなる、便通の変化、腹痛などですが症状が出てからではがんが進行してしまっていることが多いです。血便があっても痔があるからと思っていて、検査してみたら実は進行した大腸がんがあったというのはよくある話です。そのため早期発見、早期治療が重要で、大腸がん検診が有用です。検診の受診率は増加してきていますが、まだ低率で大腸がん患者を減らすには程遠いのが現状です。また、せっかく検診で便潜血反応が陽性を指摘されても、大腸内視鏡検査に対する心理的抵抗感などのため、精密検査を受診しない人が多いのも問題となります。自覚症状のある人、大腸がん検診で便潜血反応陽性の人は、早く大腸の検査を受けるようにしましょう。大腸内視鏡検査は以前と比べると検査前の食事制限がなくなり、また機器の改良、技術の進歩により以前ほど苦痛を伴う検査ではなくなりました。 大腸がんは早期に発見することにより、救命できる可能性が高くなるだけでなく、内視鏡治療で治癒させることのできる病気です。

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No.443 心臓を癒す おおばクリニック 大場 富哉

心臓病の中でも狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患が増えています。この病気は心臓に血液を送っている冠動脈の動脈硬化が主な原因ですが、以前なら70歳代より生じるような重症な冠動脈病変が40~50歳代で起こっています。ライフスタイルの欧米化によるメタボリックシンドロームの急増とストレス社会の心臓への影響は重大です。この心臓病の危険因子として①高血圧、②糖尿病、③脂質異常症(LDL[悪玉]―コレステロールや中性脂肪が高い、HDL[善玉]―コレステロールが低い)、④肥満、などの生活習慣病や⑤喫煙、⑥ストレス・過労などがあり、このうち3つ以上の危険因子を持っている人は危険因子がない人と比較して、心臓病になる確率が約36倍も高くなります。したがって、心臓のためには盧食事は塩分を控えて、動物性脂肪は少なめにし、カロリーの過剰摂取をしない、盪適度な運動を長く続ける(散歩、ジョギング、水泳…)、蘯禁煙、盻適度な飲酒の習慣(ビールなら大瓶1本、日本酒なら1合)が望ましい生活習慣といえます。 内臓脂肪型肥満に加えて、このような複数の危険因子を併せ持つ状態はメタボリックシンドロームと呼ばれ、40~70歳までの男性の2人に1人、女性の5人に1人が「メタボ」だといわれています。今年から始まった特定健診は、増え続けている「メタボ」の早期発見・早期治療を目的としていますので、健診を受けて健康状態をチェックされることをお勧めします。 また、不安を感じたり緊張したりすると動悸を感じることからもわかるように、特に循環器系はストレスに敏感に反応します。このため昔は心・魂は心臓に宿ると思われていたほどです。最近は、強いストレスや過労、極度の緊張などが原因となって心臓病と似た症状(動悸、心臓部痛、呼吸困難、めまい、失神、発汗)を呈する病気も増えていますので、自己診断をせず一度は専門医を受診してください。この病気は心臓自体には異常はありませんが、ストレスを解消する、十分な睡眠をとる、忙しくてもどこかで緊張から解放される時間をつくる(好きな音楽を聴く、ゆっくり風呂に入って寝る、自然の中でくつろぐ…)、良い家庭・対人関係を心がける、このような配慮が必要です。

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