Yearly Archives: 2016

№540 切迫早産(せっぱくそうざん)産婦人科菅原病院 菅原 新博

皆さんは妊娠した時に正常妊娠~正常分娩という経過を想像されると思います。しかし実際は約5人に1人は早産しかかる「切迫早産」という状態になります。早産というのは分娩予定日(40週0日)から3週間以上早く(37週0日以前)出産することをいいます。日本における早産率は年々増加しています。 早産児は低体重であるとともに、体が未成熟な状態で生まれるため、成熟するまでに時間がかかる可能性があります。それは赤ちゃん・ご家族の方の重い負担になるかもしれません。切迫早産の程度はさまざまで、自宅安静・通院で管理可能という方から、入院・点滴が必要という重症の方まで多々いらっしゃいます。原因はここでは書ききれませんが、一番重要なのは早期の発見です。発見(診断)が遅れると早産を止めることができなくなります。  埼玉県は対人口比で産婦人科医数が全国最下位、未熟児専任の医師も非常に少ないという現実があり、早産すると未熟児を管理する場所がなかなか見つけづらいという事実もあります。ですから切迫早産を早期に発見・対処してほしいと思います。心配な症状があれば早めにかかりつけの先生に相談し、仕事をされている方は診断書・母健連絡カードを書いてもらって休職も選択してください(母性健康管理の措置を講じることは事業主の義務です)。 また、経産婦さんは上のお子さんをご実家の方にみてもらうことも必要かもしれません。そういった環境整備のうえで必要あれば入院管理となります。入院をすると「この妊娠は良くないのでは」という方もいますが、良い結果を求めて必要な治療と向き合ってほしいと思います。 それにより未熟児センターに行く必要がなくなれば、他の患児を未熟児センターが受け入れることができます。切迫早産を早期発見して、早く対処することで赤ちゃんを正期産(37週0日以降)まで近づけることが大事です。これは、未熟児で生まれるリスクを避け、出産後のご両親の負担を軽くすることができます。また、限られた未熟児センターのベッドに余裕ができ、他に入院が必要な赤ちゃんの収容が可能になります。

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№539 色覚検査   かがやき眼科皮膚科クリニック 西尾正哉

小・中学生のお子様をお持ちのご家庭にはすでに学校から連絡が来ていると思いますが、今年から小・中学校で色覚検査が再開されました。ただし希望制です。ある一定の年齢以上の方は記憶されていると思いますが、学校で色覚検査表を見て数字を読んだりしたあの検査です。実は平成14年の学校保健法施行規則の改正により、それまで小学4年生で行われていた色覚検査が事実上廃止されていました。  その背景には、色覚検査で異常と判断された人たちへの差別が原因の一つとして挙げられています。しかし今回色覚検査が再開されることになった理由の一つに、本人や親を含めた周りの人も色覚異常に気付かないまま職業選択を行い、実際に就職する時に初めて色覚異常が判明し、希望の職を諦めざるを得ない、またはたとえ希望の職に就いたとしても色覚ハンデキャップのため大変な苦労をすることもある、という現実があるためです。あらかじめ自分の色覚について正しい知識を持っていれば、それなりに対処することができるでしょう。  先に日本眼科医会が行った調査では、中学生、高校生で色覚異常と診断された人たちの約半数が、それまで自身の色覚異常を自覚していなかったという結果が出ています。今回の色覚検査再開により、こうした無自覚色覚異常の人たちをなくし、将来の就職等への影響を最小限にすることができると期待されます。  大部分の色覚異常は遺伝によるものであり、色覚以外の視機能に異常はありません。色覚異常は男性の4・5%、女性の0・2%と、遺伝の形態上男性に多くみられます。この数字はクラスに1人程度はいるという計算で、実はごく一般的なものなのです。  今回の改正により色覚という古くて新しい検査が学校で再開されます。これに伴い、教育現場においても色覚に関する正しい知識や対応が必要となり、例えばチョークの色使いなど、さまざまな色覚バリアフリーに配慮するよう求められることになります。

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№538 新越谷肛門胃腸クリニック 左雨元樹 肛門と大腸のはなし

 おしりは他人には見せたくない場所です。それ故、多少調子が悪くても受診が遅れてしまいがちです。しかし、毎日口から食べたものが出てくる大事な場所です。人類古来、かのナポレオンや松尾芭蕉も痔に悩んでいたといわれています。婦人科の診察と異なり、寝そべった姿勢で診察する病院も増えていますので、恥ずかしがらず受診しましょう。痛み、出血、脱出、かゆみ、便秘や下痢など症状はさまざまですが、単に「痔だろう」と済ませてはいけません。大腸がんやポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)が隠れていることもあります。食べたものが出てくる場所ですから、腸の病気のバロメーターでもあります。  疾患として一番多いのはやはり痔核(いぼ痔)ですが、その他にも裂肛(きれ痔)や痔瘻、肛門周囲の湿疹などいろいろあります。実は肛門という場所は、非常に個人差の大きい場所であることに加え、病態も多彩であり、治療法もそれぞれ異なります。最近はネットで調べて「痔瘻だと思う」と自ら正しい診断をされて来院される患者さんもいらっしゃいますが、逆に情報が氾濫して混乱している患者さんも多いのが現状です。生兵法はけがのもとです。痔だと思って放っておいたが、良くならないので受診してみたら大腸がんであったということも少なくありません。早期がんやポリープの状態で発見できれば、内視鏡で治療が完了するので、異常を感じたら早めの受診・検査が重要です。  受診を遅らせる要因には、羞恥心のほか、痔の治療は痛いというイメージもあるでしょう。しかし手術を必要とせず、軟こうや坐剤、排便習慣の改善等で改善するケースの方が多く、また手術が必要な場合も状態によっては痔を切らずに、注射で治す治療法も開発されています。悪化させてしまえば、こうした低侵襲な治療の機会を失ってしまうことにもつながりますので、早めの受診をお勧めします。    

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