広報こしがや

2000年02月01日

No.338 高脂血症(日常生活の注意点) 中村 興世

高脂血症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)が増加した状態をいい、生活習慣病の一つと考えられています。高脂血症は、それ自体 何の症状もありませんが、放置すると脂肪分が血管壁に入り込み、動脈硬化を起こします。この変化が心臓にある動脈に起これば、狭心症や心筋こうそくなどを 発症し、脳の動脈に起これば、脳こうそくなどを発症させます。
高脂血症の原因としては糖尿病やホルモンの分泌異常、高脂血症になりやすい体質の遺伝、肥満、食生活、生活習慣などがあります。40歳を過ぎましたら検 診を受け、高脂血症のチェックをしてください。その結果高脂血症と診断されましたら、早速日常生活の注意が必要となります。
ここにその注意点を列記します。タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養バランスのとれた食事をとりまししょう。一日30食品 をとるよう心がけましょう。食べ過ぎに注意し、カロリーをとり過ぎないようにしましょう。動物性脂肪を控え、植物性脂肪や魚を積極的にとりましょう。コレ ステロールを多く含む卵黄やたらこ、レバーなどをとり過ぎないようにしましょう。甘い物をとり過ぎないようにしましょう。食物繊維を多くとりましょう。ビ タミンを豊富にとりましょう。アルコールは、ほどほどにしましょう。タバコはやめましょう。ストレスをためないようにしましょう。早足歩行などの適度な運 動を毎日続けましょう。これらの日常生活の注意点は、生涯にわたって必要な事で、根気よく実行する必要があります。
以上の事柄に注意し、2~3カ月後に再び高脂血症の血液検査を受けます。その結果、日常生活の注意の効果があまり現れない場合は薬物療法の併用が必要となります。このようにして高脂血症を治し血管をいつまでもしなやかに保ちたいものです。
高脂血症の一般的な事柄を述べましたが、各人により高脂血症の病状が異なりますので、かかりつけの医師の指示を必ず受けるようにしてください。

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