広報こしがや

2001年09月01日

No.358 小児の夜尿症について しらこばと子供クリニック 大村 純一郎

Q小学生の夜尿症の良い治療方法はないでしょうか。
A 5歳以上になっても、夜知らないうちにおしっこを漏らしてしまう状態が続くことを夜尿症といっています。
排尿は、ぼうこうにたまった尿の刺激がせき髄を経て脳に伝わり、脳からの命令が今度は逆にぼうこうに伝わり排尿する機能となっています。
赤ちゃんは、1日に14から15回も自動的、反射的に排尿し、1歳では尿意を感じ、2歳では排尿を感じ、3歳頃には尿を少し我慢し、4から5歳になると 意識的に排尿したり、途中で止めたり出来るようになります。夜尿症はこの排尿機構の発達が少し遅れていることが原因で、いずれ治る病気と考えられていま す。
夜尿症の頻度は4歳で30㌫、5歳で15㌫、8歳で10㌫、15歳で1㌫くらいの子どもにみられ、5歳を過ぎると毎年15㌫くらいずつ少なくなります。 両親が共に小さい頃に夜尿があると子どもの80㌫、片方の親にあると40㌫、両親共になくても15㌫くらい夜尿があり、また男の子のほうが女の子より2か ら3倍多く、最近の研究では染色体の13番目に異常があることも分かってきています。
夜尿症のタイプは、①多尿型(夜の1回の尿量も多く、一晩に何回も排尿)、②未熟型(年少児に多く、ぼうこうが小さく排尿機構が未熟)、③心因型(心理 的ストレス、環境要因、下に赤ちゃんが生まれた、学校の転校、親の離婚など、一度おむつが取れてからの夜尿)、④睡眠異常(赤ちゃんは1日の大半を眠って いますが、3歳くらいになると昼寝も少なくなります。夜尿は深い睡眠の時に多くみられます)
治療はその原因にもよりますが、規則正しい生活、生活にリズムをつけ、子どもの情緒面・心理的安定をはかり、必ず治る病気だと勇気づけてください。ま た、休日、夏・冬休みには排尿を我慢させたり、途中で止めたりするとぼうこうも大きくなり、出口の筋肉も強くなります。夕方、夜の水分、塩分は少なくして ください。
ぼうこう機能を高め、夜中の尿を抑えたりする薬もあります。専門医とご相談ください。針焦らず震・針怒らず震・針起こさず震頑張りましょう。

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