広報こしがや

2003年07月01日

No.380 新型肺炎について ホームドクター編集委員会 登坂 薫

①新型肺炎とは
新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS、サーズ)とは昨年11月に中国の広東省で発生し、その後東南アジアを中心に世界各地に広がった急性の重症肺炎のことです。感染者は8000人を超え、死亡者は800人に達しています。
しかし月本では幸いなことに患者は一人も報告されていません。特徴は①患者の年齢層が健常成人に多く、小児に少ない、②症状がインフルエンザに似ている、③致死率が10%と高く、また高齢者になるほど高くなるなどです。
この病気は、患者のせきや、くしゃみによりコロナウイルスの感染が起こり、発症すると言われています。最近は増加のペースが急速に落ち、かなり沈静化し てきているようです。しかし感染ルートが明らかでなく、ただ夏になって落ち着いただけの可能性もあり、冬になって感染が広がる恐れもあるので予断を許しま せん。
②どのような人が感染の疑いがあるのか
次のすべての条件を満たす人だけがSARSが疑われます。
①急に38度以上の熱が出た、②せき、息苦しさなどの呼吸器症状がある、③症状が出る10日前以内に感染地域(北京、香港、台湾、トロント)へ旅行した。
③どのように診察を受けたらいいのか
SARS疑いのある患者の診察は、外来における感染予防体制の整った医療機関で行うことが望ましいので、県の医療整備課℡048=830=3572か越 谷保健所℡964=1266へ連絡をし、指示を受けて受診してください。またSARS可能性該当患者は原則入院になります。県には13病院86床を確保し てあります。
④消毒はどうするのか
疑いある患者や可能性のある患者に関連した家庭や職場での消毒は、家庭用の漂白剤を水道水で100倍に希釈したものや、消毒用エタノール(薬局で入手可能)で十分可能です。
⑤SARSについて詳しい情報は、県のホームページで見られます。
アドレスは、http//www.pref.saitama.jp/A04/BF00/SARS@

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