No.383 結核 なつクリニック 松村 公人

撲滅が可能かと思われた結核は増加して、4年前には「結核緊急事態宣言」が厚生省(現厚生労働省)から出される事態になっています。
一般の感染症とは違い、結核では感染しても直ちに発病せず、菌が長い間生体内に潜伏して、抵抗力が低下した時に発病します。しかし、実際の発病様式は、まだはっきりとは解明されてはいません。
結核菌を弱毒化し病原性をなくした「BCG生菌ワクチン」は、4歳までに(通常生後3か月から可能)初めて接種がなされます。誕生後早くから施行するのは、乳幼児では生命にかかわる結核性髄膜ずいまく炎や全身播種はしゅ性粟粒ぞくりゅう結核を予防するためです。
BCGは10~15年でその効果は減少し、これ以後は結核に無防備状態となります。この時期にBCGの再接種が考えられますが、その効果は一般的には否定的です。BCGは生菌ワクチンで、健康人では安全ですが、免疫状態が低下した人は危険です。非生菌ワクチンでBCG以上の効果が期待できるワクチンが待たれる現状です。
結核の免疫が成立したかはツベルクリン皮内反応(ツ反)で判定し、ツ反が陽性の場合は一応結核に対する免疫があると判定されます。しかしツ反では、結核が十分防御できる状態になっているかは判定できません。
結核は、初期は全身的には微熱(特に夕方)、倦怠感、食欲不振、寝汗、体重減少が、気管支・肺症状としては、咳、痰、血痰、胸部痛、呼吸困難等が見られます。これらの症状が見られたら、直ちに医療機関で結核の有無を検査してください。現在では、強力な抗結核薬でしかも短期間で治療できます。早期発見が重要で放置されますと、結核は伝染力が強く、周囲家族、職場での集団感染のもとになり多大な迷惑となります。
飽食による生活習慣の乱れ、高齢化社会の到来、航空機の往来で国境なきグローバル化等、結核の温床となる条件で満たされている現在では、結核に対する一層の関心が肝要と思われます。

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