広報こしがや

2004年05月01日

No.390 よくある目の病気 -白内障- 石川眼科 石川 隆

白内障という病気は皆さんよく耳にすると思います。しかし、白内障についてただ漠然とお年寄りの病気で、簡単な手術をすれば治ると考えてはいませんか。また、逆に目の手術は失明の危険性があり、怖いからできる限り見えなくなるまで待って受ければよいと考えている人もいるでしょう。ある意味ではいずれも正しいのです。
〈白内障とは〉
眼球内の水晶体が濁ってきて外から入ってくる光が遮られ、見えにくくなる病気を白内障と呼びます。
〈白内障による症状〉
白内障が進行するとまぶしさと、薄い膜がかかったような見え方を訴えます。特に明るいところでまぶしくなります。これは昼盲と呼ばれます。また近視が進行することもあります。
〈もし白内障と診断されたら手術の時期は?〉
一般的に白内障は、視力障害などが進行し、日常生活に支障を来すようになったときに手術をすればよいのです。しかし、白内障が進行すると緑内障を併発することもあり、また、水晶体が固くなるまで放置すると手術の結果に影響が出る場合もありますので、眼科医とよく相談のうえ、いつ手術に踏み切ったらよいか考えるのがよろしいでしょう。
〈白内障手術は安全か〉
どんな手術でも100%成功し、100%満足するということはありえません。現在は白内障手術の器械が著しく改善され、さらに眼内レンズを目の中に挿入することにより、20年前とは比較にならないほど安全に短時間で満足のいく手術が行えるようになりました。その点では輊手術は簡単になったから早くしたほうがよい軫と言えます。しかし、いまだに1000~2000件に1件は、感染症を起こし失明に至ることさえあるのです。
また、人によっては合併症を起こしやすい場合があります。例えば、瞳の開きが悪い人、白内障が進行して水晶体が非常に固い人などいろいろあります。従って、簡単だからと言うだけで安易な気持ちで受けるのも問題なのです。十分に納得のいくインフォームドコンセントを受けたうえ、安心して手術を受けるようにしましょう。

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