No.393 脳硬塞(特に隠れ脳硬塞について) こしがや脳神経外科・内科 玉野 吉範

脳梗塞とは、脳血管が狭窄および閉塞し、その血管の支配領域に十分な血流を送る事が出来ず、脳組織が不可逆的な変化を起こしてしまった状態を言います。最近ではCTやMRI検査装置の普及もあり、全く症状が無いのに検査では脳梗塞巣が認められる無症候性脳梗塞、いわゆる「隠れ脳梗塞」が増えてきています。
以前は、この無症候性脳梗塞は治療の対象外と言われていましたが、最近の研究では、病理学的に症候性脳梗塞と全く変わらない病変で、ただ単に症状が出にくい場所に脳梗塞を起こしているに過ぎないものと分かりました。また、無症候性脳梗塞の患者さんは、その後に脳卒中を起こす可能性が一般人より高いという事も分かっています。
しかし、画像上、無症候性脳梗塞巣が認められたからといって治療を必ず行うものではありません。その原因を的確に判断したうえで、適切な治療を行う必要があります。
その治療は、代表的な危険因子である高血圧症、糖尿病、高脂血症の治療が主体となります。この中で、もっとも因果関係が強いと考えられているのが高血圧症です。一方、脳梗塞の代表的な治療薬である抗血小板剤の有効性はあまり示されていません。しかし、無症候性脳梗塞の原因として、脳動脈硬化症や頚動脈狭窄・閉塞および心疾患を有する場合は、再発予防に抗血小板剤や抗凝固剤等が必要になってきます。頚動脈病変の描出に無侵襲的検査で威力を発揮するのが、頚動脈エコー検査です。
食生活の欧米化に伴い、頚動脈病変を有する患者さんが増えています。頚動脈の動脈硬化の程度は脳動脈硬化の程度とよく相関しており、頚動脈エコー検査を行う事によって、頚動脈病変のみならず脳動脈硬化の程度を推測する事が可能です。
脳梗塞の症状やその原因は多岐にわたっており、寝たきりや重度の障害を残す前に、頭部CT、MRI、頚動脈エコー検査等を受け、脳神経外科専門医や神経内科専門医の診断を受けるようにお勧め致します。

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