広報こしがや

2004年12月01日

No.397 結核: 乳幼児、学童、成人への対策が改定されました なつクリニック 村松 公人

乳幼児では結核に罹患りかんする頻度は低く、来年4月からはツベルクリン反応検査(ツ反応)は省略されBCGの直接接種となります。従来のツ反応とBCG接種のために2度医療機関を受診する負担はなくなります。結核の予防にはBCG接種は大切で、特に乳幼児では結核性髄膜炎ずいまくえんや粟粒ぞくりゅう結核等の死に直結する重症結核の予防に極めて有効で、その予防効果は10年以上持続します。
結核予防法に定められたBCG接種は4歳までにとなっていますが、出来るだけ早期に特に6カ月以内に接種される事が推奨されます(来年4月からBCG接種は生後6カ月過ぎると任意接種となり全額自己負担となる見込みです)。生後4カ月検診で医療機関を受診される際に同時に接種されるのが最良でしょう。入学前にBCG接種を忘れますと、学校という集団生活の中に無防備な状態で送り込まれ、結核感染児童が紛れていますとたちまち感染し集団感染の危険にさらされます。
昨年から小・中学校1年生のツ反応やBCG接種をする制度は患者発見率が低い事から廃止されていますので、乳幼児の時期にBCG接種もれの児童は接種する機会がありません。学校ではツ反応に代わり、聞き取り調査(問診票)に変わっています。問診の要点は、過去に結核にかかったか、家族に結核患者が同居しているか、結核の予防内服を受けた事があるか、結核蔓延の海外居住経験、自覚症状(咳せき・痰たんが2週間以上持続)、小児期でのBCG接種の有無等です。これら問診を参考にして、結核対策委員会で精密検査対象者が選定されます。
高校生では問診は困難ですから、高校1年生時に1回胸部X線検査が施行されます。
大学生は現、行の結核予防法が18歳以上は毎年胸部X線検査による健康診断を行うとなっていますのでこれを踏襲とうしゅうします。この毎年の検診が結核検診の効率からは問題で将、来は変更される可能性があります。40歳以降では、毎年肺がん検診を兼ねて結核検診が施行されています。
以上が結核対策の概要ですが、現在までまだBCG接種をされていない場合は初回接種は発病予防に有効ですので接種を薦めます。

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