広報こしがや

2006年02月01日

No.411 不整脈 松本クリニック 松本 佳久

Q.「不整脈は放置しておくと大変なことになりますよ…」って本当ですか?
A.突然に胸がドキドキしたり、脈が乱れて「心臓が止まるんじゃないか?」などとすごく不安になったことがありますか?不整脈は感じる人と感じない人がいますが、健康な人でも、ときに不規則な動きをすることがあり、とても不安に感じます。しかし、すべての不整脈が危険なものではありません。
不整脈の多くは原因不明ですが、最も多いのは加齢によるものです。次にストレス、過労、睡眠不足が原因となります。ほかには心臓病や甲状腺などの病気が原因で起こるものもあります。健康診断で不整脈を指摘されたり、動悸どうき、息切れ、めまいなどの自覚症状がある場合には詳しい検査を受けることが大切です。
不整脈があるといっても、そのすべてが治療を必要とするわけではありません。治療を行う目安として次の3点があげられます。
①動悸やめまい、失神などの症状が激しい場合やそれに伴う不安が強い場合など
②心臓にほかの病気がある場合、不整脈がきっかけで重大な状態になることを避ける必要がある場合
③自覚症状が軽いまたはまったくない場合でも、不整脈そのものが重症である場合
基本的には狭心症や心筋梗塞とは別の病気ですが、すでに心臓の病気があると不整脈になりやすいのも事実です。
Q.たまにしか出ない不整脈はどうやって調べるのですか?
A.普段は何ともないのに、ふとしたときに不整脈が出てくることがあります。それは不快でとても不安になりますから、病院を受診するわけです。しかし、脈をとり診察しても、心電図をとっても異常や不整脈はまったく見つからない患者さんもいます。こういう患者さんは、何か緊張したときとか運動したとき、仕事後の緊張が解けたとき、お酒を飲んだとき、寝ているときなどに不整脈が出ている場合が多いのです。
そのような不整脈をつかまえて記録する方法として、携帯用の24時間連続記録装置(ホルター心電図)というものがあります。これにより、活動中や睡眠中などいろいろな場面の心電図が記録できるので、不整脈を発見記録できる確率も高く、不整脈の種類、頻度、時間帯、症状との対比もできる優れものです。しかし、弱点として、不整脈が数日とか、数週間に一度しか起こらない場合には不整脈を捕まえきれない場合があります。
このように不整脈の症状は、原因によっても異なりますが、重症な病気に至るおそれがあるので、早期に専門医の診断を受ける必要があります。

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