広報こしがや

2006年04月01日

No.413 食物アレルギー特にアトピー性皮膚炎との関連 秋山小児科医院 秋山 美智子

食物アレルギーとは、ある特定の食物を摂取することによって起きるアレルギー反応です。代表的なものは、ジンマシンで100人のうち15~20人は一生のうちで1度は経験すると言われています。皮膚に蚊に刺されたような発疹ほっしんができて、かゆい病気です。ほかに吐き気、もどし、唇の腫れ、呼吸が苦しくなる等の症状が出ることもあります。
なかでも怖いのは、アナフィラキシー・ショックと言われ、原因食物を摂取して10~30分後ぐらいに顔色が悪くなり、呼吸が苦しくなり、ひどくなると意識が無くなり、死に至ることもあります。代表的なものはソバ・アレルギーです。
さて、アトピー性皮膚炎との関係ですが(、アトピー性皮膚炎=食物アレルギー)ではありません。実際に食物アレルギーがアトピー性皮膚炎の原因となっているお子さんは多くても2~3割程度です。あとはハウスダスト、ダニ、カビなどで、原因の分からない場合も多いのです。原因を調べる検査として皮、膚テスト、血液検査がありますが、異常が出てもそれが即原因食物を示しているとは言えません。
まず、必ず医師の指示を受けて、《食べた物を日誌につけ、あやしい食物があれば実際に止めてみると良くなるか?(除去テスト)、食べると悪くなるか(負荷テスト: 必ず医師の指導のもと)》を行い、主治医が総合的に判断します。
原因食物は、卵・牛乳・小麦・米・大豆が多く見られますが、湿疹しっしんができたからといって自己判断で食事制限はしないでください。子どもの成長・発達に必要な栄養素を制限すると身体に悪影響を及ぼし、お母様にもストレスがたまります。
さて、食物アレルギーと判断されたら除去食をはじめますが、期間はだいたい半年~2年ぐらいをみてください。主治医が時期をみて何を食べて良いのか指示します。
ソバ・アレルギーのように成人になっても良くならないこともありますが、たいていは成長につれて食物アレルギーは消えてゆく場合が多いので、その日まで頑張りましょう。
なお、アナフィラキシー・ショックに対しては治療が手遅れにならないように、自分でできる注射が「成人用」、「小児用」ともに発売され、医師の処方で手に入れることができます。

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