広報こしがや

2007年04月01日

No.425 声の変化 青木産婦人科耳鼻咽喉科心療内科 青木 古尚

ここ最近携帯電話はさらに進化しており、非常に便利になりました。メールをしたり、音楽を聴いたりして利用している方もいますが、主な使用目的は会話です。こちらが声を発し相手の発する声を聞く道具でもあるのです。ひと言で声と言いましても人によってそれはさまざまです。今回は声の変化とその変化を起こす恐れのある病気についてです。
息を吐いているときの空気の流れが、閉じかけた声帯を振動させ音が発生し、その音が口の中や鼻の中で共鳴し、その人特有の声となります。声の変化は声帯の異常、共鳴する場所の異常、その他の異常などにより起こります。声帯に異常があると声がれが起き、声がしゃがれてしまったり、高い声が出せなくなってしまいます。その原因にはかぜなどの炎症、のどに負担がかかる職業、変声期、ホルモンバランスの乱れ(特に女性)、喫煙飲酒などがあります。それらにより声帯に変化が起き、ひどければポリープができてしまいます。これらはさほど心配ありませんが、警戒しなければならない病気もあります。それは喉頭がんです。これは内視鏡検査ですぐに発見することができ、早期にきちんと治療をすればそれほど危険な病気ではありません。
次に共鳴する場所の異常です。扁桃へんとう肥大、咽頭がん、ポリープを伴う蓄膿ちくのう症(慢性副鼻腔びくう炎)、スギ花粉症などにより、のどや鼻の奥が狭くなり、うまく共鳴できなくなり声に変化が起こります。
その他の異常としては心因性の声がれがあります。声帯に異常はないのですが、仕事上のストレスや人間関係によって引き起こされると考えられています。一般的に経過は良好ですが、原因となった心理的要素が解決しない場合は再発もあります。
声の調子は健康のバロメーターでもあります。ちょっとおかしいなといった場合はいずれにしましても早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

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