広報こしがや

2009年12月01日

No.457 お新型インフルエンザ 石川医院 石川 幸子

日本国内においても8月以降、流行の拡大を続けているブタ由来の新型インフルエンザ。この病気は飛沫感染、接触感染により発症します。咳やくしゃみとともに放出されたウイルスを吸い込むことによっておこるのが飛沫感染です。感染してから発症するまでの期間を潜伏期と言いますが、インフルエンザの潜伏期は1日~7日(平均3日~4日)です。
症状から新型インフルエンザと季節性のインフルエンザとを区別することはできません。多くの症例で38度以上の発熱、咳、咽頭痛が認められます。その他にも、頭痛、関節痛、全身倦怠感、下痢などを認める場合もあります。65歳以上の高齢者、2歳未満の乳幼児、喘息などの慢性呼吸器疾患、妊婦、心血管系疾患、糖尿病、腎疾患、肝疾患などの基礎疾患をもつ場合、重症化するリスクがあると言われています。しかし基礎疾患を持たない小児の急性脳症、死亡例も報告されており、どのような場合に重症化するのか明確な判断は困難です。
診断は臨床症状と迅速診断キットにより行います。この検査ではインフルエンザA型かB型かの判定はできますが、新型、季節性の区別はできません。現在流行しているインフルエンザA型はほとんどが新型インフルエンザと考えられています。今後、毎年冬から春にかけて流行する季節性インフルエンザと流行が重なる可能性もあり、注意が必要です。
治療法としては、季節性インフルエンザと同様、オセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)が有効です。36度台に解熱した後も、72時間は自宅で療養してください。
予防のために、人ごみを避け、外出時のマスク着用、外出後の手洗い、うがいを習慣づけましょう。新型インフルエンザワクチンは、妊婦、基礎疾患を持つ者、1歳から小学校3年生までの小児など優先順位の高い人から順次、接種を開始しています。接種回数は1歳~18歳(高校3年生相当)は2回、それ以外の方は原則1回とされていますが、変更になる可能性もあります。
インフルエンザにかかった人が他人に感染させないように努める、そのような思いやりが今後の感染の拡大防止へつながります。

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