広報こしがや

2010年08月01日

No.465 漢方治療について 田代クリニック愛 田代 博紹

漢方薬は一般治療でも広く使われるようになりました。以前からある漢方のエキス製剤が「医療用漢方製剤」として保険適用され、西洋薬と同様に処方できるようになったためです。
漢方はどんな症状や病気に効果があるのでしょうか?
急性病では感冒に効果があります。初期に使用する「葛根湯」がよく知られていますが、症状の変化に合わせて薬を選択することが大切です。治りが悪くて微熱が下がらない、咳や痰が続いて夜眠れない、乾いた咳が長引くなど、病気がこじれたときにも漢方は効果的です。インフルエンザのごく初期であれば「麻黄湯」が有効なことがあります。また、アレルギー病のスギ花粉症、感染症のウイルス性胃腸炎などにも漢方は積極的に使われています。
慢性病では、食欲低下などが目立つ胃腸虚弱症、胃腸の働きが失調する機能性胃腸炎の治療に漢方がとても有効です。繰り返す胃炎、胃潰瘍には漢方の「安神作用」がストレスを解消できるので再発を予防します。
気管支喘息にも有効で、気管支拡張作用のある漢方で軽い咳の発作を抑えられます。体質改善(体質強化)をしながら発作を予防していくことも可能です。
婦人科系の症状にも漢方はよく使われます。生理不順、生理困難症、更年期障害、不妊症などに効果があり、特に女性に多い冷え症は漢方がとても有効です。
生活習慣病で最も効果的なのは高血圧です。漢方単独では、降圧効果はありませんが、ストレスや交感神経の緊張を和らげるので、西洋薬と相乗的に働いて安定した効果が出ます。
漢方治療は誰でも受けられますし、またほとんどの医療機関で漢方薬の処方が可能です。飲み合わせに注意すれば、西洋薬との併用も可能です。お気軽に主治医に相談してください。

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