No.476 めまいについて 登坂耳鼻咽喉科 登坂 薫

ヒトは高い位置にある重心を狭い足底で支え、下肢の筋肉の緊張を感じ、周囲の光景の水平、垂直を眼でとらえ、内耳というところで重力、加速度を感じ、無意識のうちにバランスを保っています。この中のどれかが障害を受けるとめまいが起こります。
1.メニエル病
1861年にメニエル氏が報告した病気で、めまいの代表的な疾患です。めまい発作に先立って難聴、耳鳴りなどの耳症状が出ます。そして回転性の激しいめまいが起こり、1~2時間くらいは続きます。このとき吐き気、おう吐を伴います。そしてめまいが取れると耳症状も良くなります。このようなめまい発作を繰り返すのが特徴です。原因は内耳のリンパ液の増加です。治療は利尿剤、内耳循環改善薬、抗不安薬、ビタミンB12などの薬物治療の他に運動療法、生活指導(過労、睡眠不足、ストレスの回避など)も行われます。どうしても良くならなければ前庭機能破壊術という手術をするこもあります。
2.良性発作性頭位めまい症
もっとも頻度が高い疾患で、頭位、体位の変換をした時だけめまい発作が誘発されます。難聴、耳鳴りなどは伴いません。めまいの時間は短く1分以内です。めまいを起こす頭位、体位を少しずつ取るようしていると改善されて来る「慣れの現象」が起こります。原因は内耳の半規管の結石です。最近この病気に対して頭位を変換することにより半規管結石を半規管外に排除するエプレイ法と呼ばれる理学療法が行われています。しかし時間がかかるなどの理由で、一部の耳鼻科でしか行っていません。
3.薬物性めまい
多種の薬物を服用する高齢者の増加に伴い、薬物が原因のめまいも増えています。抗生物質、降圧剤、精神安定剤、鎮痛剤などでみられます。
4.地震に関係しためまい
東日本大震災以来、めまいを訴える患者さんが増えました。余震が頻発しいつも揺れていると体の揺れる感覚が残ってしまい、地震が来ている状態が正常で、揺れていない状態が異常と錯覚し、また心理的、精神的ストレスも原因と考えられます。しかし地震が内耳の障害を起こすことはないので多くは時間の経過とともに治っていきます。

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