広報こしがや

2011年09月01日

No.478 男性型脱毛症 (AGA) の治療 かがやき眼科皮膚科クリニック 西尾 祐美

AGAという言葉をご存じですか?『男性型脱毛症』という意味です。いわゆる成人男性の髪が薄くなる状態です。コマーシャル等でも流れていますので、ご存じの方もいると思います。AGAの人は全国で1260万人もいると言われ、内心気にかけている人も多いのではないでしょうか。
AGAは進行性で、放っておくと脱毛が進行してしまいます。しかし、今では治療薬が開発され効果を上げているものもあります。そのひとつが飲むAGA治療薬、フィナステリド(商品名プロペシア)です。フィナステリドは、日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドラインにおいても強く推奨されている非常に効果の高い治療薬です。一日一回、一錠を内服するだけでAGA治療ができます。
フィナステリドはよく効くお薬ですが、いくつか注意点があります。ひとつは、基本的な効果は増毛ではなく、AGAの進行を抑えるという点です。そのため最も効果的な治療方法は、髪が薄くなってきたなと感じた時点で治療を開始することです。AGAが進行してからでは、フィナステリドの増毛効果にも限界があります。まだ毛髪量が多い段階で治療を開始することで、長期間毛髪量を維持できると期待できます。
二つめは、服用を中止するとAGAは再び進行することです。毛髪量が増加すると安心して服用を中止してしまう方がいますが、この薬には服用中止後にAGAの進行を止める効果はありません。AGAの進行を抑えるためには、継続して服用を続けていく必要があります。
フィナステリドは薬局でそのまま買えるお薬ではなく、医師の処方箋が必要な処方薬となります。ですので、必ず医師の診察を受けてから処方を受けることになります。また、この治療を受ける際には全額自己負担の自由診療となります。そのため医療機関によって費用が異なります。あらかじめ受診する医療機関に問い合わせるか、ホームページ等で費用の確認をしておくといいでしょう。
このような注意点があるものの、フィナステリドは治療をした90%以上の人に効果が確認できる優れたお薬です。気になっている方はフィナステリドを取り扱っている医療機関で相談されてみてはいかがでしょうか。

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