広報こしがや

2012年08月01日

熱中症とその対処法 蒲生東診療所 井関 正和

夏になり気温が高くなると、特に気を付けなければならない病気に「熱中症」があります。熱中症というのは、「高温環境下での全身障害」をさし、高温・多湿の環境下で水分を補給せずに長時間スポーツや作業を続けると、体温が上がり脱水をきたします。重症化すれば意識障害や痙攣を起こし全身の機能も障害されます。熱中症は誰にでも起こり得る危険な病気なのです。  熱中症にならないようにする為には、炎天下でスポーツなどを行う際は、早めに水分摂取をするように心がけます。0・2%程度の塩分(ナトリウムの量なら100ミリリットル当たり40~80ミリグラム)を含んだスポーツドリンクなどを、活動前に250~500ミリリットル、活動中も多めにとるとよいでしょう。 衣服は、風通しが良くて軽い、熱を吸収しにくい白系統のものを着用しましょう。  また、疲労感や発熱、寝不足、食欲不振がある時には、熱中症にかかりやすいため、無理をしないことが大切です。  熱中症になった時の対処法ですが、活動中にめまいや頭痛、気分不快などの症状が少しでも現れたら、速やかに休息を取り水分を補給してください。活動を続けると命にかかわる危険性もあります。“FIRE”(Fluid:水分補給、Ice:体の冷却、Rest:運動の休止・休息、Emergency:救急事態の認識)に留意しましょう。  意識がない場合には、直ちに救急医療機関に運ぶ必要があります。その間の応急処置としては、患者を冷房下(無ければ木陰)に移して衣服を脱がせ、霧吹きで体の表面に水をかけたり、足の付け根や首筋、わきの下など、動脈が触れる部分を氷で冷やしたりして、体をできるだけ冷却します。  今年も節電を気にしながらの「猛暑」との戦いです。体調管理に気を付け、夏を楽しみましょう。

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