広報こしがや

1998年04月15日

No.298 市民本位の地域医療体制づくりをめざして 天草 大陸

市民の健康と命を守る地域医療体制を築いていくためには越谷市医師会が中核となり市役所や保健所、消防署の救急隊などと協力していかなくてはなりません し、越谷市医師会が中核としての機能を発揮するには、何よりも市民から親しまれ信頼される医師会でなければならないことは言うまでもありません。
そのためにも、基本健康診査や胃がん検診をはじめとする各種健康診断、予防接種、学校医、児童・生徒の心臓検診や結核検診、健康相談、市民向けの健康教育講座などの越谷市医師会が担う保健事業のさらなる充実に努力していきたいと思っております。
一方、医療に関しては、心筋梗塞発作、脳卒中発作、交通事故による脳挫傷など命に直接かかわる疾患に対応する第三次救急を含めて全ての病気が越谷市内の 医療機関で対処できる医療体制、すなわち、地域完結型医療体制を築く必要があると考えます。そのためには、現時点ではまだ充分に整理されていない診療所、 中小病院、大病院の機能分担、役割分担を、重複する部分があるにしても、市民の皆様に分かりやすいように区分していかなくてはなりません。それにはまず、 市民の皆様全員が何でも気軽に相談ができ、信頼関係が確立された「かかりつけ医」、「ホームドクター」を持つことが出発となります。そして、異なった診療 科を持つ診療所と診療所との連携、診療所と中小・大病院との連携、中小病院と中小病院との連携、中小病院と大病院との連携を推進していかなくてはなりませ ん。
理想とする市民本位の地域医療体制を構築するには、診療所・中小病院から大病院への患者さんの流れを円滑にすることがポイントになると思いますので、数 百病床規模で総合的な診療科を有する大病院の機能、役割を明確化することも重要であると考えています。大病院には、三つのことが要請されています。第一に 高度医療の提供、第二に救急医療の提供、第三に外来でのいわゆる「3時間待ち3分間診療」の解消です。
以上述べましたことを実現していくためには、市民の皆様のご理解とご協力が必要となります。ご理解を得るために医師会は最大限努力してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

過去のホームドクター