広報こしがや

2017年03月01日

№544 子どもの咳について レイクタウンこどもクリニック 加藤智治

咳は、小児科を受診するきっかけとしてもっとも多いものです。咳がでる病気で頻度が高いのは「かぜ」です。 数日で良くなればいいのですが、なかなか良くならない場合や悪化する場合は、かぜではないこともあるので、注意が必要です。小児科でよくみられる病気についてご説明します。 〈気管支炎〉   主にウイルス感染が原因で、乳幼児に特に多い病気です。最初は鼻水や軽い咳だったのが、2~3日で急にゼーゼー(喘鳴)と苦しくなります。幼いお子さんほど悪化しやすいので早めに受診しましょう。 〈気管支喘息〉   気管支炎のような喘鳴を繰り返す(喘息発作)病気です。アレルギーの検査が必要なこともあります。発作が治まった後も、注意深く経過観察し治療を続けます。 〈肺炎〉   乳児では、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどの感染が主な原因です。高熱があり呼吸も苦しい場合は入院になります。幼児や学童では、マイコプラズマの感染が多いです。  高熱がないこともあり、比較的元気で登園・登校するため周囲に感染が拡がります。適切な診断と治療が必要です。 〈クループ〉   のど(喉頭)に炎症が起き、息を吸うときにゼーゼーいう特徴的な激しい咳が出ます。夜、急に咳や喘鳴がひどくなり救急外来を受診することが多い病気です。ほとんどがウイルス感染ですが、アレルギーが原因のこともあります。 〈百日咳〉   四種混合(以前は三種混合)ワクチンをしっかり接種していれば幼児期までは感染しにくいものの、未接種の赤ちゃんや学童期以降の小児や成人では感染を起こすことがあります。 〈結核〉   乳幼児期の感染や重症化(髄膜炎など)はBCG接種で防ぐことができます。現在もそれほど珍しい病気ではありません。小児の結核は家族など身近にいる大人が結核にかかっている場合がほとんどです。  咳が続く場合は、「熱がないからいいや」と放っておかずに、かかりつけ医を受診してください。

 

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