広報こしがや

2018年01月05日

NO.554 インフルエンザ予防接種料金はどうして医療機関によって違うの? 越谷市医師会 会長 登坂 薫

謹んで新春のお慶びを申し上げます。市民の皆様方が今年も健康で何事もなく過ごされることを、医師会員一同心より祈念しております。  さてこの冬もインフルエンザの流行の季節となってきました。予防接種を既に終了している人もこれからの方もいる事と思います。今シーズンはワクチンの本数が足らなくて予約を取るのに苦労された方もいる事と思います。ではどうしてそうなったのでしょうか。それは一度決めたワクチンに使うウイルス株4種類のうち1種類を選び直し、製造が遅れたからです。それにより予防接種希望者が多くなる11月から12月に不足が生じました。本来なら13歳以上の方については、0・5mlを皮下に、1回またはおよそ1~4週間の間隔をおいて2回注射するところを、1回注射を原則とすること、ワクチンの予約は昨年度の使用実績を上回らないようにすること、返品は行わないことなどの通知が厚労省から出されました。  しかし最終的にはほとんど不足はなくなる見込みです。  ところで接種料金ですが、お母さん方の中で、あそこはいくら、ここだったらいくらと話題になり、なるべく安いところで接種という事になると思います。なぜ医療機関によって料金が違うのでしょうか。保険診療は国により料金が決められていますが、高齢者以外のインフルエンザ予防接種料は自由診療のため、医師会等で料金を統一すると公正取引委員会の規約に違反するからです。越谷市医師会は以前から料金は会員任せです。3年くらい前でしょうか、近隣の医師会で最低料金を決め会員に周知徹底をした事が独禁法の規定に違反する行為であるとして排除措置命令が出ました。ではインフルエンザ予防接種の料金はどの様に決めているのでしょうか。基本的には保険診療に準じた料金となっています。まずいろいろお話を聞きますので診察料(1回目なら初診料、2回目なら再診料)が掛かります。その他注射手技料とワクチン代がかかります。あとは各医療機関の裁量で料金が決められます。未接種の方はなるべく早めに接種するようにお願いします。

 

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