広報こしがや

1999年02月15日

No.317 スギ花粉症対策について 登坂 薫

スギ花粉症とはスギ花粉が原因で起こるアレルギー性の鼻炎や結膜炎のことで、1964年にスギ並木で有名な栃木県日光市で発見されました。今や国民の 10人に1人が毎年春になると悩まされています。スギ花粉が鼻や目にはいることにより、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどを起こします。では越谷 市ではいつごろ花粉が飛んでいるのでしょうか。最近3年間の平均の飛散状況を示したのが下の図です。2月下旬から飛び始め、4月初旬まで飛んでいます。飛 散のピークはその春の気象状況によって違います。また総飛散量は前年の夏の気候に影響され、昨夏は涼しく雨が多かったので雄花の生育が悪く、今年は例年の 半分と予想されており、5年ぶりに患者さんにとってはいくらか過ごしやすい季節になりそうです。
ではどんな対策があるのでしょうか。まず第1にはスギ花粉をあびない、家に持ち込まないということです。つまり晴れた風の強い日は外出を避け、出かける ときはマスク、メガネをつけ、帰宅時に衣服についた花粉を落としてから家にはいり、すぐに洗眼、うがいをし、できればシャワーも浴びます。また布団は外に 干さないようにし、ゴルフに行くのは絶対やめましょう。第2にきちんと早目に治療をすることです。現在行われている主な治療法は初期療法と呼ばれているも ので、症状がでる1~2週間前から抗アレルギー薬を内服し、シーズン終了まで続け、調子の悪い時は点鼻薬、点眼薬を併用します。この治療により飛散ピーク 時の症状を軽くすることができ、副作用の出やすい薬を使わずに済みます。
最近花粉があまり飛ばないスギの開発も進められていますが、日本のスギが全部それに換わり、実際に花粉が少なくなるには100年かかると言われています。まだまだ花粉で悩まされることが多いと思います。早目の対策を心がけるようにしてください。

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