広報こしがや

2000年11月01日

No.348 糖尿病薬の副作用が心配 板橋 秀雄

Q糖尿病で通院しています。以前から同じ薬を飲んでいましたが、最近血糖が高いため薬が変わりました。主治医から肝臓が悪くなる副作用を知らされ不安です。糖尿病薬の種類や副作用などを教えてください。
A最初は効いていた薬の効き目がうすれてくる、二次無効と呼ばれる状態になったものです。この場合は他の経口薬を併用したり、インスリンに変える必要があ ります。ただ二次無効にみえても実は食事・運動療法が不十分のため効き目が落ちている方が多いのです。もう一度食事・運動療法を厳格にやってみてくださ い。
ここでは、経口糖尿病薬の作用のしくみと注意点について書いてみます。①SU剤(オイグルコン、ダオニール、グリミクロンなど)。すい臓のインスリン分 泌を促し、血糖を下げます。最も広く使われている薬です。低血糖の副作用はありますが、この薬特有の副作用はありません。②αグルコシダーゼ阻害薬(ベイ スン、グルコバイ)。腸での糖分の吸収を遅らせ、食後の高血糖を抑えます。低血糖をおこした時は、砂糖やご飯を食べてもすぐには低血糖から回復しませんか ら、直接血糖を上げるブドウ糖やブドウ糖を含むジュースを飲んでください。おなかの張りやおならが増える、肝機能異常が出ることがあります。③インスリン 抵抗改善剤(アクトス)。糖尿病になる原因は、すい臓でのインスリン分泌不足のほかに、インスリンに対する体の反応が鈍くなって高血糖になること(インス リン抵抗性)があります。インスリン抵抗性のある患者さんの特徴として、肥満があり空腹時血中インスリンが高いことがあげられます。肝機能には十分注意を 払う必要があり、1カ月に1回の血液検査を必ず受けてください。むくみの副作用があり、女性に多く現れます。心疾患がある方には使えません。④ビグアナイ ド剤(メルビン等)。肝臓・筋肉などすい臓以外の組織に対する作用で血糖を下げます。一時副作用の心配からほとんど使われない時期がありましたが、その後 見直されるようになりました。
経口薬でもインスリンでもまず少量から始め、血糖値の動きにあわせて量を加減します。自覚症状では効果はわかりませんのでおっくうがらずに血糖チェックを受けてください。

過去のホームドクター