広報こしがや

2002年01月01日

No.362 さらなる地域医療体制の充実のために 会長 天草 大陸

新年明けましておめでとうございます。
私たち医師は、常に市民の方々の生命と健康を守るという重大な責任を認識しながら「生涯を通じて健康で安心して生活ができる越谷市」を作るために、市民の皆さまと手を携えて地域医療体制の充実に全力を傾けていかなければならないと考えております。
そのような観点に立ち、今年の越谷市医師会の抱負の一端を述べさせていただきます。昨年に引き続き病院と診療所、診療科の異なる診療所と診療所などの連 携強化、すなわち病診連携に力を注ぎます。診療所、中小民間病院、大病院(市立病院および獨協医大越谷病院)の役割分担を明確にして、その相互協力・相互 乗り入れ体制をさらに強固なものにして参りたいと思います。
診療所や中小民間病院は初期医療(プライマリーケア)に責任を持たなくてはなりませんが、小児に限りますと夜間の初期救急医療については、責任を果たし ているとは言い難いものがありました。そこで昨年、「小児の初期救急は地域の行政と地域の医師会員で支える」という共通理念のもとに、市との間で「(仮 称)越谷市小児夜間急患診療所」を今年の秋までに設置することで合意しました。この診療所が設置されますと、ほとんどの急患児への対応が可能となります。 そして、この診療所では対応が難しい重症な患児は大病院へ紹介するという流れが出来上がります。
また、小児に限ったことではありませんが、大病院に対しては地域の基幹病院としての機能・役割を充分に認識していただき、診療所や中小民間病院との診療 機能の重複を避けることからも、次の3つの医療を担う急性期に特化した病院として頑張ってもらいたいと思います。すなわち、
①救急医療=救急救命またはこれに準じた救急医療の提供
②高度医療=短期集中的に専門的な高度医療を提供
③連携医療=診療所などからの紹介患者を中心とした医療の提供
いずれに致しましても市民の皆さまのご理解、ご協力なくしては越谷市の地域医療の発展はあり得ません。越谷市医師会は、今年も市民の皆さまから親しまれ、信頼されるよう頑張ります。何とぞよろしくお願い申し上げます。

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