広報こしがや

2005年07月01日

No.404 熱 松尾医院 松尾 五郎

熱があると心配ですね。でも、何度からが「熱」なのでしょう。明らかな「熱」とは37度5分以上をいいます。では、37度4分は「熱」ではないのでしょうか。
大人なら「熱っぽいなあ」と感じたら、36度台でも熱ありとして扱います。自覚症状は大事ですから。一方、小さいお子さんは自分では言えませんから、幼児期なら母親が「熱がある」と思ったら、たとえ37度でも「熱」ですよ。それくらい母性というものは凄すごいものです。病気を早めに見つけてあげる第一歩という意味で大切です。
また、その一方では、母親が「具合が良い」と思ってお子さんを予防接種に連れて来て、特に症状が無く元気であれば37度4分でも「熱」とは見なされず、接種可能な場合もありますよ。おそらく、泣いたか、走り回ったか、部屋が暑かったかでしょう。自分で熱は作っていますから、過ぎると、汗をかいて体を冷やします。
どうして熱が出ているのかがわかりやすいときもありますね。例えば、咳せき、鼻水、のどの痛み等があれば「いわゆる風邪」でしょう。熱が出たときの8割から9割はウイルス感染症によるものです。随伴症状には要注意です。元気さ・顔色・呼吸・意識・痛み・食欲等がチェックポイントですが、一般的な風邪の治療、即すなわち「症状を和らげる治療」で治まることが多いですね。熱があったら、記録してみましょう。折れ線グラフにしてみるとわかりやすいですよ。
4日も5日も下がらない熱のときは、そもそもが風邪(ウイルス感染症)ではなくて細菌性感染症なのか、合併症(肺炎、中耳炎、尿路感染)を考えます。そして、髄膜炎、敗血症、膿瘍のうようなどもあり得るので検査を要します。
2週間以上も続くときは、いろいろな検査を駆使して、悪性腫瘍や膠原病こうげんびょうなど発見の難しい病気も視野に入れます。

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