広報こしがや

2006年11月01日

No.420 検尿について 越谷大袋クリニック 大薗 英一

Q.健診で尿の異常をいわれました。どこも悪くないのですが・・・
A.「尿検査で何がわかるの?」と思っている方はいませんか。血液検査などと比べると安易な検査に思われがちですが、尿の検査は腎臓や膀胱ぼうこうの疾患・糖尿病などの全身性の疾患を発見する上で有効な検査です。特に腎臓の病気はなかなか症状が出にくいのが特徴で、本人が気付かないまま病気が進行する場合があります。腎臓は体の中の要らないもの(不要物)を尿として排泄はいせつし、必要な物質を再吸収する働きがあります。腎臓に異常をきたすと老廃物が体に蓄積され、逆に糖や蛋白たんぱくなどの体に必要な成分が尿の中に排泄されてしまいます。病気が進行し体のだるさ、むくみのような自覚できる症状が出る前に尿に異常がでてきます。
尿の検査結果で基準値を超える蛋白や血液・糖を認めた場合、正常と判断された方より病気が隠れている危険性が数十倍高くなると言われています。しかし1回の検査結果だけでは判断できません。検査の前日や当日の状態により検査結果が変化することがあるからです。必ず再検査を受けましょう。尿検査を受ける際に気をつけることとして、風邪など急に体調を崩したときには避けた方がよいでしょう。また女性の場合、生理の時も同じです。検査の前日や当日は、過激な運動を避け、十分な睡眠をとってください。無理をすることで一過性の尿異常を起こす場合があります。実際に健診で尿異常を指摘され、再検査で病気が見つかった方は二十人に一人と言われています。異常が見つかった場合にはかかりつけの先生に相談してください。
最後に、現代人の腎臓は塩分過多の食生活により酷使され続けています。「腎臓に優しい生活」を実践するには、「塩分」が重要な位置を占めています。塩分は腎臓から排泄するため、とりすぎてしまうと過剰に腎臓を働かせ、負担をかけてしまいます。
皆さんも塩分量を少しでも減らして腎臓に優しい生活を心がけてみませんか?

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