広報こしがや

2007年02月01日

No.423 2007年スギ花粉症予測 登坂耳鼻咽喉科 登坂 薫

スギ花粉症は今や国民病とまで言われ、国民の約16%が罹患りかんし、単純計算でも越谷市には5万1200人のスギ花粉症患者がいることになります。
①スギ林について
森林は国土の約7割を占めその18%がスギ林で、大半は1950~1960年代にかけて植林されました。
それらが樹齢30年を超え、花粉の生産を活発化させ患者数が増加してきました。
②スギ花粉について
スギの雄花は夏の暑い時期に生育し、秋にはもう花粉は出来ています。12月にはいると一度休眠し、そして春が近くなると開花し、花粉が飛散します。つまり、夏の天気がよいと花粉が育ち、冷夏だと生育が悪くなります。そして飛散開始時期は秋や冬の気温に左右されます。
③今年の予測
2006年7月の平均気温は平年並みで暑い夏でした。しかし、日照時間は曇りや雨の日が多かったため、平年の3分の1と極端に少なくなりました。そのため飛散量は平年(1平方詢誡当たり3600個)を下回ると予測され、去年(1000個)と同じくらいです。しかし注意しなければならないのは、温暖化などにより平年値が毎年上昇し、長期的に見ると右肩上がりになっていることです。一方飛散開始日は秋の気温が高く、雄花が休眠に入る時期が遅れたので、平年よりやや遅れ2月中旬と予測されます。しかし長期予報では今年の冬は暖冬ですので、少し早くなるかもしれません。
④予防と治療について
花粉が少なくても、症状は出ますので予防や治療は必要です。まずインターネットなどで花粉飛散状況を把握し、外出時にそれを活用することが重要です。当然花粉を浴びないようにする工夫も必要です。外出時には、マスク、帽子、眼鏡をつけ、帰宅したらブラシで花粉を落とし、布団、洗濯物は外に干さないようにします。
鼻アレルギー診療ガイドラインでは、飛散開始前から抗ヒスタミン剤を内服し、飛散数が増えてきたらステロイド点鼻薬を併用する初期療法を勧めています。しかし、今年はすごくつらい日は少なそうです。

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