広報こしがや

2009年05月01日

No.450 胃がん検診をお受けになる皆さんへ -ペプシノゲン法・ピロリ菌抗体検査を受けましょう- 藤田医院 藤田 安幸

本年度から、越谷市の胃がん検診をお受けになる皆さんのうち、30歳~75歳までの5歳きざみで、節目となる年齢を迎えられた方を対象として、ペプシノゲン法・ピロリ菌抗体検査を行うことになりました。内視鏡やレントゲン検査を行うことにより現在の胃の状態を正確に診断することはできますが、将来の予測は困難です。最近、血液検査でペプシノゲン値とピロリ菌の有無を調べることにより、皆さんの胃粘膜の健康度をチェックすることができるようになりました。
ペプシノゲンは胃の粘膜で作られ、ペプシンという消化酵素の元となります。ペプシノゲン法が陽性の場合、胃粘膜では炎症や萎縮が進み、潰瘍やポリープ、がんなどができやすい状態と考えられます。また、ピロリ菌は人間の胃の中にすむ細菌です。幼児期に感染し、慢性的に感染が持続して胃の老化現象である萎縮性胃炎を引き起こします。さらに、潰瘍やがんの発生と深いかかわりのあることが明らかになっています。これら二項目の検査結果を組み合わせ、将来、胃がんができやすい粘膜かどうかの危険度をA群、B群、C群、D群の四段階に分類し、判定いたします(ABCD検診)。この結果に基づいて、これからの適正かつ効率的な胃がん検診の受診間隔を設定することが可能です。
検査を受けるにあたり、腎臓の機能が低下している方や胃切除術を受けている方、また胃酸分泌抑制剤(プロトンポンプ阻害剤)を服用されている方は正確な検査値が得られませんので、対象となりません。不明な点は検診担当医にご相談ください。費用は通常の胃がん検診負担額2000円に、ペプシノゲン法・ピロリ菌抗体検査費用として追加負担金500円がかかります(計2500円)。
この検査はご希望の方のみに行いますが、ご自身の胃粘膜の健康度を把握しておくことは大変に有用です。節目の年齢を迎えられる方は、ぜひ一度お受けになることをお勧めいたします。なお、ペプシノゲン法・ピロリ菌抗体検査単独での受診はできません。

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