広報こしがや

2012年09月06日

No.490 最近の緑内障診断について かがやき眼科皮膚科クリニック 西尾正哉

緑内障という病名はよく耳にすると思いますが、実際どういう病気なのかご存じの方は少ないのではないでしょうか。一般的には眼の圧力(眼圧)が高くなって、だんだんと見えなくなってくる病気ととらえられる方が多いようです。ところが実際には、眼圧が正常範囲内であっても、緑内障として目が見えなくなってくることがあるのです。これが正常眼圧緑内障といわれるもので、疫学調査によって日本人にはこの病気が多い事も分かっています。日本眼科学会の緑内障ガイドラインにおいても、眼圧が高いことは緑内障診断にとくに必要とはされていません。それでは緑内障診断はどのようにされているのでしょうか。  緑内障は簡単に言えば視神経の病気です。視神経が少しずつ傷んでくることで、その傷んだ部分の視野が欠けていくのです。緑内障の方の視神経は特徴的な形をしています。そのため、緑内障診断の第一歩は視神経の状態を診ることです。緑内障が疑われる場合には視野が欠けていないかどうか視野検査を行いますが、加えて最近では、光干渉断層計(OCT)という解析装置を使うことも多くなりました。これは、視神経の傷み具合を画像解析するもので、ここ数年で急速に普及してきています。このO申 Tの最大の特徴は、視野検査で異常が出る以前の早期の緑内障を発見することが可能だということです。そのため、現在では視野に異常が出る前の、ごく早期の緑内障も診断がつくようになってきています。  緑内障は40歳以上の方の20人に1人がかかってしまう、ごく一般的な病気です。にもかかわらず、初期から中期にかけての自覚症状が乏しいため、その大部分の方が緑内障とは気づかずに生活しています。緑内障は失明する恐れのある病気ではありますが、早期に発見し、きちんと治療を受けていけば失明することはほとんどありません。   40歳を過ぎたらぜひ年に1回眼科検診を受け、ご自分の眼の状態を確かめておくと安心です。

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