広報こしがや

2015年01月30日

№519 脂質異常症 小島医院 小島洋一

今、日本では成人の約2・5人に1人が脂質異常症と言われています。脂質異常症とは、血液中の特定の脂質値が基準値より高いか低い状態です。

悪玉コレステロールが増加する高LDLコレステロール血症、善玉コレステロールが低下する低HDLコレステロール血症、中性脂肪が増加する高トリグリセリド血症があります。脂質異常症それ自体では症状を起こすことはありませんが、狭心症、心筋梗塞、脳卒中の発症、悪化の原因になるので注意が必要です。健康な方の血管は弾力があって血液がサラサラ流れています。
皆さんはテレビ等で血液がドロドロで、なかなか流れない映像を見たことありませんか? この原因の一つに脂質異常症があります。酸化などで変性したLDLコレステロールは、血管内に付着して血管を詰まらせ血液の通り道が狭くなる動脈硬化を促進させます。これを放置すると血管がますます狭くなり、気付かないうちに症状を悪化させてしまいます。LDLコレステロールを酸化変性させない物質は緑黄色野菜に多く含まれるβ|カロチンやビタミンC、植物油や種実類に多いビタミンE、赤ワインのポリフェノール、お茶のカテキン、ゴマのゴマリグナンなどがあります。
また、肥満は脂質異常症を発症させやすくします。特に内臓脂肪型肥満は糖尿病、高血圧など、他の生活習慣病を合併する恐れがあります。脂質異常症、糖尿病、高血圧は、一つ一つの症状が軽度でも併発すると動脈硬化の進行が加速されます。肥満を避けることは大事です。
脂質に含まれる脂肪酸には2種類あり、LDLコレステロールや中性脂肪を増やす飽和脂肪酸は肉類や乳製品などの動物性脂肪に、HDLコレステロールを増やす不飽和脂肪酸は植物油(オリーブ油、ごま油など)、魚介類などに多く含まれます。
ただし、不飽和脂肪酸も摂りすぎは肥満につながります。脂質全体の量と脂肪酸の種類を考えて、適量を摂るように心がけましょう。

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