広報こしがや

2016年05月07日

№534 訪問診療とは?悠翔会在宅クリニック越谷 岡田大輔

 昨今、高齢化が急速に進んでおり、老々世帯、1人暮らしの高齢者も増えている状況です。年齢を重ねるごとに体調も崩しやすく、家族の介護負担も増え、病院との関わりも増えていきます。
 持病や難治性の病気が進んだり、急な病気の発症で動けなくなってしまったり、加齢とともに心身の機能低下がおこったりしてひとりで通院することが難しくなってくることがあります。また、定期通院や急な病院受診なども家族やヘルパーさんが付き添いをしなくてはいけなくなるようなこともあります。病院での診療科も細分化されており、受診する診療科も多く、通院回数もさることながら待ち時間も長く疲れてしまうのが現状です。
 そのような通院困難な方のために「訪問診療」という在宅医療サービスがあります。ひとりでは病院にいけない方が継続的・計画的に治療を受けられるよう、医師が定期的に患者さんのお宅に訪問し、必要な診療サービスを提供するものです。病院ほどの大掛かりな精密検査はできませんが、通常の外来で行うのと同じようにご自宅で診察を受けることができます。高齢者の病気は症状がわかりにくく、患者さんも症状をうまく伝えられず、病気の発見が遅れがちです。早期発見・継続的な病気の予防をすることで初期段階において治療ができ、入院に至っても短期間ですむ可能性があります。
 訪問診療適応患者さんは通常の外来通院患者さんより心身機能の予備力が落ちているため、24時間にわたる病態変化があり得ます。従って具合の悪い時だけ訪問するのではなく定期的に診察させていただく必要があります。また訪問診療を行うのは在宅療養支援診療所という届け出を出している医療機関です。
 定期的な訪問診療に加え、24時間365日、連絡が取れる体制になっており、体調に不安があればいつでも電話での相談や、必要であれば往診を受けることもできます。在宅医療や介護に関わるすべての方々と連携しながら情報を共有し、在宅で安全・安心した生活が長く続けられるようにサポートしていく仕組みになっています。

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