No.323 近視の治療 小林 豊

近視の人は遠くのものがはっきり見えず、ある一定の距離から近くのものが見えます。遠くが見えづらいのは、映像が目の奥(網膜)に届かず、手前で焦点を 結んでしまうためです。このため近視の治療は、目に入ってくる映像の焦点を網膜に合わせるか、より近づけることを行います。
治療法には、①メガネ・コンタクトレンズ、②目薬、③手術があります。ほとんどの場合、まずメガネで治療を始めます。
①メガネを処方するときは、疲れやすくならないように、充分に時間をかけて検査を行います。子供の近視は成長とともに強くなる傾向があるので、定期的に 視力検査を行い、必要であればメガネの度を強くします。大人では40歳代になると老眼の要素が入ってきます。この頃になると、メガネをかけたままで長い時 間近くを見ていると、目や頭の痛み、肩こりを感じたり、あるいはものを遠ざけて見るようになります。このような時は、読み書きの際にメガネをはずすか、近 くを見やすい少し度の弱いメガネを作るとよいでしょう。
コンタクトレンズはメガネが合わない人や、スポーツをする人、近視の度合いがとても強い人、左右の視力がかなり違う人などに向いています。硬いハード・ コンタクトレンズと柔らかいソフト・コンタクトレンズがあり、使用する人に合ったものを選びます。黒目に直接レンズをのせるので、最初は違和感があります が徐々に慣れていきます。定期的な検査が必要ですが、充血やひどい痛みがあるときは、中止してなるべく早く眼科を受診してください。
②遠くを見るときに、調節力(近くを見る力)が働いてしまい、近視が本来より強くなっている人や、近視ではないのに遠くが見えづらくなっている人が時々 います。この状態を調節けいれんと呼びます。このようなときは近視の程度を正確に調べるため、目の緊張をやわらげる方法で、視力検査を行います。調節けい れんの要素が多く入っている場合、ごくまれに目薬で緩和され、ある程度裸眼視力が向上することがあります。
③手術は屈折矯正手術と呼ばれ、角膜(黒目)に行います。角膜の中心部の屈折力(光を曲げる力)を弱くすることで、映像の焦点を網膜に近づけ裸眼視力を 向上させます。現在はレーザーを用いて行うことが主流です。日本眼科学会が決めた適応条件に沿って手術が進められていますが、まだ臨床治験の段階で、健康 保険の適応ではありません。

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