No.328 胆石症 宮本 繁方

胆石は古くはエジプトのミイラにも見つかっています。時代劇などで女道中師の手管としてよく使われる、癪(しゃく)という病気も同様のものと考えられています。
この病気で特徴的なのは、胆石せんつう発作と呼ばれる右上腹部に出現する激痛で、夜間、就寝の直後に出現し、右肩や右背部に放散する痛みがしばしば認め られます。発作は通常、数時間で治まりますが、難治性のものや、膵炎(すいえん)を引き起こすものもありますので、放置することはお勧めできません。脂肪 の多い食事、暴飲暴食、過労、興奮などが誘因になりやすいものと考えられています。また、検査法の発達により無痛胆石が多く見つかるようになってきまし た。胆石はその成分によって、コレステロール系石、色素系石などに分類されます。最近では、欧米化された食事、過剰な摂取カロリー、肥満者の増加などによ り、コレステロール系石の頻度が80㌫前後となっています。胆石症は今なお増加傾向にあり、年齢とともに有病率は高まっています。統計的には日本人の 3~5㌫に見られ、女性は男性より約2倍多いと言われています。欧米では胆石になりやすい人をFemaleFair Fatty Forty Fecund の頭文字をとって5Fと言いますが、要約すると、色白のぽっちゃりとした40歳代の経産婦となります。最近の日本における胆石症にもあてはまることわざと 言えます。
確定診断は、造影剤を注射してから行うレントゲン検査(経静脈的胆道造影)、超音波検査、内視鏡による検査(逆行性胆道造影)などによって行われていま す。このなかでも、超音波検査は空腹時であれば、何の苦痛もなく、繰り返し受けられますので、ファーストチョイスになっています。治療法については、非手 術的治療として、溶解剤療法と体外衝撃波破砕療法があります。手術療法としては、開腹手術法と腹腔(ふくこう)鏡手術法があります。それぞれの治療法には 一長一短がありますが、治療の選択肢は増えていますので、主治医と十分にご相談いただきたいと思います。最後に、胆石症と胆嚢(たんのう)がんについてで すが、両者の因果関係はいまだに確たるものではありません。しかしながら、半数以上の胆嚢がんに胆石が合併していることは事実ですので、症状のない胆石症 の方でも定期的な検査は忘れずに行っていただきたいと思います。

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