広報こしがや

2003年04月01日

No.377 緑内障 大沢医院 大沢 みゆき

Q人間ドックで緑内障の疑いを指摘されました。何の症状もありませんが精密検査を受けるべきでしょうか。
A何の症状がなくても、必ず眼科で精密検査を受けてください。緑内障の多くは、初期に自覚症状のないことが多いのです。  症状からみますと、急性緑内障と慢性緑内障があります。急性緑内障は、急激な眼痛、頭痛、吐き気などで発症することが多く、初めは内科や脳外科を受診す る方もいます。更に充血や霞目がありましたら、まず眼科を訪れてください。手遅れになると失明する場合もあり、早期に治療をする必要があります。
慢性緑内障のタイプは、初め、はっきりとした自覚症状もなく、あっても眼が重苦しい、眼精疲労といった漠然としたもので、このタイプが緑内障の多くを占めています。また、人間ドックや、ほかの疾患で眼科を訪れた際に発見される方も少なくありません。
緑内障は、目の中を循環している房水といわれる液体の排出が悪いために起こるといわれています。ゴムボールでいえば、空気が入りすぎて張っている状態と いえるでしょう。目の張り(眼圧)が徐々に視神経に影響し、視機能が失われていきます。  視力が良いからといって油断はできません。最近は、眼圧が正常でも起こる緑内障のあることもわかってきていますので、眼科での精密検査は大切です。視力 以外に、眼圧、眼底検査、視野検査などを行い、緑内障と診断された場合は、早期に治療を開始することです。失ってしまった視神経は元に戻りません。
また単に、高眼圧や眼底所見のある場合でも、眼科医の指導のもとに経過観察が必要です。どのような種類の緑内障でも、治療は、点眼、内服、点滴、レーザー治療、更に進行例などでは手術を必要とすることもあります。
40歳以上の約30人に1人、全国では約300万人の潜在患者がいるといわれています。進行例では失明率も高く、早期発見による早期治療が大切といえるでしょう。

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