No.428 子どもとメディア しらこばと子供クリニック 大村 純一郎

テレビ・ビデオ・パソコン・携帯電話などの電子映像メディアが私たちの生活にあふれています。これらは情報化時代にあって不可欠なものになっていますが、これらの電子映像メディアを長時間見続ける、いわゆるメディア漬けが発達段階にある子どもの心や体へ及ぼす影響が心配されています。
メディアリテラシー(情報を正しく読み解くための基礎能力)の教育は、メディア教育の先進国イギリスでは30年代から行われています。カナダでは70年代、アメリカでは80年代、日本ではやっと2002年から総合学習の中で実施されるようになりました。メディアに溢あふれる違法ドラッグや性に関する有害情報が子どもに与える悪影響や、ゲームなどにおいて暴力的、残虐的行為を仮想体験することの危険性が懸念されています。また、有益な電子映像メディアであっても長時間接触することによる脳への影響が心配されています。例えば①外で遊ばない、②会話をしない、③勉強をしない、④本を読まない、⑤コミュニケーション能力が低い、そういった子どもが増加しています。子どもの平均的なメディア接触時間は小・中学生の半数が1日4時間以上、4分の1が6時間以上との報告があります。
97年に「ポケモン事件」(アニメ番組の赤や青の短時間点滅で光感受性の高い子どもにけいれん、意識障害が起き多数の子どもが入院した)がありましたが、これもメディア漬けが原因のひとつと考えられます。メディア漬けの弊害としては、他にもモニター画面による目の疲れ、肩こり、腱鞘けんしょう炎、不眠などがあります。またゲームを始めると視覚に関連した後頭葉は活発に発達しますが、考える脳である前頭葉の活動が低下するということが脳科学者から報告されています。メディア漬けにより睡眠時間は減り、メラトニンという脳のホルモンが減少し、体内時計が狂い、慢性の時差ボケになりやすくなり、また外遊びや運動量の減少によりセロトニンというホルモンが減少し、仲間との交流は減り、攻撃的で「ムカつき・切れる子」になりやすいとの報告があります。
日本小児科学会では次のような提言をしています。①2歳以下の子どもにはテレビを長時間見せない、②テレビはつけっぱなしにしない、③乳幼児にテレビを一人で見せない、④授乳中・食事中はテレビをつけない、⑤乳幼児期からテレビの適切な使い方を身につけさせる、⑥子ども部屋にテレビを置かない。

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