No.438 変形性股関節症 東大沢整形外科内科 高田 直也

変形性股関節症は先天性・後天性の疾病や外傷によって股関節の構造に破綻をきたす進行性の病気です。関節軟骨がすり減ったり過剰な骨ができたりしてすり合わせに不具合が生じて関節が変形していく病気です。
股関節は骨盤という受け皿に丸い大腿骨がすっぽりと収まる構造をしています。股関節の屋根と丸い骨頭を覆っている軟骨とはレントゲンには写りませんので、正常な股関節のレントゲン写真では隙間があいて見えます。日本人における変形性股関節症は先天性股関節脱臼の治療後や、発育時に生じる股関節の形成不全に由来するもので、全体の90%を占めています。これらは圧倒的に女性に多いため、変形性股関節症は女性に多く見られます。このような異常があるとやがて軟骨のすり減りが始まり、進むと、股関節症に痛み、跛行(足をひきずる)、関節の動きの減少といった症状が出てきます。初期では骨硬化などの変化が生じ、関節の隙間がやや狭くなります。ひどくなると、関節の隙間が消失し、股関節が変形してきます。
治療には手術をしない保存的治療と手術的治療とがあります。前者は①筋力強化②体重のコントロール③杖の使用④鎮痛剤の服用などがあります。後者は、骨切り術や人工股関節などを中心に様々な術式があります。いずれにしても運動量が減ることによる股関節周囲の筋力の低下を防ぐために、股関節の可動性を高める運動や股関節を含む下半身の筋力を強化する運動を行うことが必要になります。特にプールにて浮力と水の抵抗を利用した水中運動は患部への負担が少なく無理のない運動が行えます。
変形性股関節症は介護保険制度で特定疾患に指定されていますので、40歳から申請することができ、認定されれば、介護サービスを受けることができます。変形性股関節症は進行性の病気のため、加齢とともに症状が重くなるので、股関節の異変に気付いた際は早期に整形外科、できれば股関節外科の専門医の受診が必要です。

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