No.305 日焼け 西川 千香子

ゲーテの言葉に「もっと光を」があるように、光は地球上万物の生命の根源と思われます。しかし、太陽も生物に幸いだけをもたらすものではありません。ここでは光線の中でも紫外線がもたらす日焼けに関して述べてみます。
地上に到達する紫外線は波長によりUVA(長波長)とUVB(短波長)に分けられます。赤く腫れる日焼けは主としてUVBが原因で、ときに水疱や痛みを 伴います(サンバーン)。また赤さがとれた後は、皮膚の黒化(サンターン)が起こります。サンバーンは傷害炎症であり、繰り返すと皮膚の老化、疫抑制など 悪影響を与えます。一方サンターンは、メラニン色素が沈着し、次回露光の際防御的に働くので、大切な生体反応ともいえます。日焼けは個人差があり、色白で すぐ赤くなり、無くなりにくいタイプと、色黒でほとんど赤くならず、後で強いサンターンを招くタイプとがあります。かつては「色が白けりゃ七難隠す」と言 われましたが、色白の人は日光に対する防御力が弱いのであまり急激に当たらないように注意が必要です。また膠原病や色素性乾皮症などで特に光に弱い人、さ らに抗生物質、高血圧、糖尿病などの薬を飲んでいる人は日光アレルギーを起こすことがあります。まれに紫外線により蕁麻疹(じんましん)やヘルペスの誘 発、肝斑(しみ)を残します。一般に日焼け止めクリームは健常皮膚に塗ることが望ましく、損傷部に使用すると吸収されトラブルを起こすことがあります。そ の遮光効果はSPF値で表現されています。低力価でも発汗、水泳等の際には頻回に塗ることでより効果を望めます。遮光力範囲にも限界がありますので過信し ないことです。
日焼けの治療はまず冷湿布を行い、アレルギー炎症を抑える薬を飲んだり、塗ったりします。それによりその後のしみも軽くすませることができます。重症例は脱水症状をきたし熱傷に準じた治療が必要です。
当然ながら日光浴は健康増進の基本であり光と熱、光合成、ビタミンD合成など恩恵の大きさは周知のとおりで、また一部の長波長紫外線は慢性の皮膚病を軽 快させます。要は太陽のもたらすデメリット効果からはできるだけ身を守り、メリット効果のみを享受しようというのが結論といえます。

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